Adobeは1982年の創業以来、人を中心とした文化で成功を収めてきました。そしてこのたび、シンガポールにて2021年「Great Place To Work」認定企業に選ばれたことを大変嬉しく思います。
2020年、仕事は決して元のスタイルには戻らないことが明らかになりました。その時私たちは好機を見出し、従業員の体験を再構築し、創造性や革新性、文化を育むために、対面とバーチャルの相互活用における最良の形となる新たなスタイルを開発する必要性を感じたのです。
デジタル・エクスペリエンスは、人々のつながり方、働き方、学び方、遊び方を変えていきます。ここ1年半の間にデジタル化が加速したことで、仕事のあり方が大きく変わりました。そしてこの変化は、今日やパンデミック後の働き方へ従業員が期待するものを変えました。
Adobeは過去1年半から最大限のことを学ぶことで次の働き方のビジョンを設定しようと、さまざまな部門のメンバーからなるチームを結成しました。
私たちは、さまざまな場所、組織、在職期間における何百人もの社員、マネージャー、リーダーに着目してインタビューを実施するとともに、世界中の従業員を対象に定期的にアンケートを実施してさまざまな情報を収集することで、計画への反映や仮説の検証を行い、Adobeにとって最適な未来のモデルの構築を行ってきたのです。
これらの結果、以下のようなことがわかりました。
Adobeはデジタルエクスペリエンスカンパニーとして、入社時からキャリア開発、コラボレーションやコミュニティまで、従業員のエクスペリエンス全体においてデジタルツールやワークフローを重視します。これにより従業員がどこにいても生産的に働けるようにします。
Adobeの従業員はおおよそ50%自宅で働き、残りの時間をオフィスで働くようにすることができます。私たちは、個人やチームが自分に合った働き方を見つけられるようにしていきます。
私たちは物理的な参加とバーチャルな参加を意図的に混在させ、目的を持って協業のために設計された対面式の集会を行います。
私たちは、直接会って話をすることの価値を信じています。しかし場合によっては、リモートワークがAdobeと個人にとって意味のあることも知っています。そのためリモートワークに関する基準とガイドラインを設け、段階的にグローバルに展開することで、学習と反復の連続によりこのモデルを成功させます。
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Adobeの強み(スイートスポット)はテクノロジーとクリエイティビティの交差点に位置しています。だからこそ、自分たちの強みを活かして未来の仕事の形をデザインするのは当然のことです。私たちの目標は場所を問わず優れた従業員体験を提供し、さまざまな仕事の形の長所を意図的に活用することです。
私たちは在宅勤務の時代が必ずしも未来を反映したものではないことを認識していますが、次の章では在宅勤務の時代から読み取れる、私たちの働き方に役立つような各行動に関するインサイトを見ていきます。
例えば電子メールからリアルタイムメッセージングへの移行が進んだ他、コミュニティの形成や業務外の交流への欲求が高まり、会議の代わりに非同期型のコラボレーション手法を採用するケースが増えています。
この変革の中心となるのが、新しいスマートデジタルキャンパスアプリ「Adobe Life」です。これはアドビ製品を用いて設計され、賞をも受賞したデジタルエクスペリエンスであり、新たなハイブリッドワークを強化するソリューションです。
我々が全てにおいてそうしているように、「Adobe Life」は社員を念頭に置いて作成されており、社員のワークスタイルやワークフロー、そしてワークスペースからインサイトを得て作られました。このアプリには、従業員が生産性を維持し、つながりを持ち、情報を得て、元気に過ごすための機能が満載されています。
また「Adobe Life」は従業員の状況に合わせて動きます。各オフィスはそれぞれアプリ内にデジタルキャンパスを持ち、再入場のアップデートや道案内、会議室の予約など、その場所に合わせてカスタマイズされたニュースや情報のハブとして機能するのです。
その他にも人工知能を活用してパーソナライズされたコミュニティエンゲージメントやカスタム通知により、従業員同士のつながりを保つことができます。
ただ、これらはほんの始まりに過ぎません。私たちはまだまだ学ぶべきことがたくさんあり、働き方を進化させるには長期的な変革が必要であると考えています。ハイブリッドな"Future of Work(あたらしい仕事のあり方)"はこれからも続くでしょうが、1つのものが全てに対してうまくいくわけでもありません。
組織の大小にかかわらずその「ハイブリッド」が自分たちにとってどのようなものかを見極め、その未来を築くために必要なデジタルソリューションの導入を開始する必要があります。
"Future of Work"に向けて変革する際に多くの組織が直面する課題のひとつが、既存のワークフローです。変化の激しい今日の環境においてレガシーシステムの問題に対処するには、ワークフローのステップの一部または全部をデジタル化することで、より柔軟なテクノロジーに移行しながら、クラウドベースのサービスを利用することで、迅速かつ最適なコストにより移行を実現することが必要となります。
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Adobeは先日、シンガポールにある「Microsoft Azure Southeast Asia region data centre」において、ローカルにホストされたクラウドサービスとして「Adobe Sign」と「Adobe Experience Manager」を提供することを発表しました。これによりデジタルエクスペリエンス管理と電子署名の機能を拡張することでオンショアとし、現地組織の"Future of Work"に関するビジョンをサポートします。
また今年後半には、「Microsoft Teams」の新しい「Live Sign」を導入し、実際に対面しているような感覚で電子署名ができるようにします。例えばリモートのチームは、「Microsoft Teams」のビデオ通話でプロジェクト文書の詳細を確認しながら、承認のための電子署名ができます。これらはすべて「Microsoft Teams」を離れることなく処理できるのです。
リモートワークやハイブリッドワークが"Future of Work"の主流になるにつれ、従業員体験やワークフローにより多くのデジタルイノベーションが組み込まれることが期待されます。
翻訳元:https://e27.co/why-the-future-of-work-of-adobe-is-hybrid-and-how-they-are-building-it-20210812/
表題画像:Photo by on Unsplash (改変して使用)