Jul 2, 2020
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なぜ東南アジアはエンジェル投資に最適なのか

東南アジアではベンチャーキャピタリストやPE(プライベートエクイティ)ファンド、法人投資家による資金調達が過去最高レベルに達している。同地域がエンジェル投資に最適な理由を探る。
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世界で最も経済が成長している7つの新興国のうち、東南アジアにはインドネシア、マレーシア、シンガポール、タイの4つの国が集まっている。

大手コンサルティング会社のマッキンゼーによると、1965年以降、これらの国の一人当たりGDPは年3.5%以上成長している。2000年以降の近年では、ベトナムとミャンマーも成長が著しい国のリストに含めるべきであり、一人当たりのGDPの平均成長率は7%である。過去8年間では、フィリピンも一人当たりの年間GDP成長率は3.5%を超えている。東南アジアの人口は約6億人で、3億6000万人以上のインターネットユーザーを抱えている。そのうち1億人のユーザーがこの4年間で新たに加わっている。

VCの活動

シンガポール政府が所有する投資会社のTemasekによると、東南アジアには2024年までに10億ドル以上の価値をもつ10社の新しい企業が誕生するという。東南アジアのインターネット経済の規模は、2019年には1000億ドルに達し、2025年には3倍の3000億ドルに達すると予想されている。ベンチャーキャピタリストやプライベートエクイティファンド、法人投資家による資金調達は、東南アジアで過去最高レベルに達しているのだ。

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エンジェル投資家が期待すべきチャンス

米国を拠点とするVCは、多くの画期的なイノベーションや転換をもたらす技術を支援し、新しいビジネスモデルを実験する傾向がある。

東南アジアにおけるベンチャー投資は、先進国市場ですでに実績のある技術やソリューションをもつ企業に焦点を当て、異なる人口動態を形成する発展途上の市場で成長するために、必要な調整を行う傾向がある。

将来の展望

東南アジアでは人々の生活が向上しており、テック系のスタートアップの成長にとって黄金時代を迎えている。2018年には東南アジア諸国の一人当たり平均所得は4,600ドルに達した。これは中国がテックブームを迎え始めた2007年の一人当たりの平均所得と同様の水準である。

新型コロナウイルス感染症の影響

上記のような新興国のもうひとつの本質的な特徴は、世界的にボラティリティーが高い時期であっても、それぞれの国の流れや状況の変化に合わせて政策を適応させ、マクロ経済の安定を実現してきた点にある。例えば1990 年代後半のアジア金融危機や、2008年から2009年にかけて発生した世界的な金融危機のように、各国政府は不安定な状況から迅速に回復するために迅速な行動をとってきた。

新型コロナウイルス感染症の拡大は金融危機ではないが、他の地域よりも早く東南アジアは回復すると予想できるだろう。

東南アジアと欧州、米国の違い

投資家は、新たな価値を見つけてポートフォリオを多様化するために、東の方角を向いて探している。

・Brexit(ブレグジット)や欧州南部が抱えている破産寸前の金融危機など、欧州は多くの内部問題に直面している。理論的にはEU(欧州連合)内の規制が素晴らしい市場を作っているにもかかわらず、その大きな文化の違いを完全には克服できていない。

・米国は記録的な低金利と減税に支えられてきた景気の回復と拡大の長いサイクルが終了したばかりである。

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中間層の台頭

これまでに述べてきたように、東南アジアでは何百万世帯もの家庭がより高い所得を手にし始めており、中間層に移行しつつある。これは消費者向け製品やサービスに対する需要の増加を意味している。人口は若く生産的で、市場も成長している。東南アジア市場はまだ未成熟であり、効率性を高める余地がある。どの条件も価値創造に有益である。

世界的な緊張と安全な場所

主要な貿易国、特に中国と米国との間の摩擦が高まる中、東南アジアの新興市場は世界の投資家にとって安全な避難所として、また多様化を求める新たな手段として、ますます注目されている。

国ごとの産業構造

消費者のニーズに牽引される形で、より多くのスタートアップがユニコーンの地位を獲得している。東南アジアは最も急速に成長している消費者向けの市場の一つであり、グローバル投資家のポートフォリオに自然に多く追加されている。

消費者関連の産業に加えて、モバイル決済やスマートシティ、Eコマースといったテクノロジーの新興分野にも投資家の関心が集まっていることが最新のデータによって判明している。

しかし地域を基点に産業の魅力を一般化するのは難しい。機会を見極めるためには、個々の国に目を向けなければならない。

各国はそれぞれ多様な構造的能力や天然資源、労働力のスキルをもっている。シンガポールが金融や法治国家として台頭してきたのは、投資家資本へのアクセスが容易で、法の支配で知られる確立された法制度を提供しているからである。

インドネシアなどの国々は様々な分野で豊富な天然資源を有している。一方でベトナムやミャンマー、そしてカンボジアなどは依然として魅力的な労働市場を維持している。

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国境を超えた成長

国境を越えた成長の機会は東南アジアではまだ十分に活用されておらず、エンジェル投資家が注目すべき主要な分野の一つである。国境を越えて解決策を導くことができる企業は、世界でも最大級規模の市場に直接アクセスできる。

東南アジアの複数の地域に携わる強力な地域覇者はほとんどいない。これは異なる規制や言語、そして文化や職場環境において、事業成長のために資本を調達する課題に直面していることが原因である。

しかし2016年1月1日、東南アジア諸国連合(ASEAN)はASEAN経済共同体(AEC)を発足させた。AECはASEAN内のモノやサービス、投資や資本、そして熟練の労働者の自由な交流のために、単一の市場と生産基盤の構築を目指している。

国境を越えた開発と効率性の格差は、AEC の目標を絶えず脅かしている。例えば優秀な頭脳の流出や底辺への競争といった恐れである。異文化や政治的な違いは、合意形成の妨げにもなり得ることが証明されている。

しかしAECが成熟し続けるにつれ、東南アジア市場への進出や拡大を検討している企業のための機会は生まれてくるだろう。そして海外からの直接投資はAECにおける優先事項の一つでもある。

ボトムアップ研究の重要性

投資家は東南アジアを一つの重点地域として捉えるべきである。しかしトップダウンではなく、国境を超えて成長できる可能性のある特定の国の産業を探し、ボトムアップで分析することが重要である。

なぜならばボトムアップで研究しなければ、国特有の問題を見逃してしまう可能性もあるからだ。例えば外国人投資家や創業者がよく犯す間違いとして「A国でうまくいっていれば、B国でも簡単にスケールアップできる」という考え方がある。

より深いレベルのデューデリジェンスと長期的な投資の見通し

東南アジアへの投資を考えているエンジェル投資家には、国ごとの開発レベルや法制度、そして複数の言語や文化の違いなど、山積みになった複雑な問題が待ち構えている。

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したがって、この地域の複雑さをしっかりと把握して舵をとるためには、より深いレベルのデューデリジェンスが必要となる。

また欧米に比べて投資のエコシステムが未発達であるため、エンジェル投資家は先進国の市場で慣れている期間(3年から8年)よりも長い投資の見通し(10年から15年)を覚悟しなければならないだろう。しかし東南アジアは急速に成長しているため、潜在的に高いIRR(内部利益率)の恩恵を受けられる。

成功への要素

東南アジア市場におけるスケール

多くの成功した(伝統的な)ビジネスが東南アジア地域でスケールしている。適切なボトムアップの方法を適用し、異なる文化や規制を受け入れる限り、東南アジアにはスケールアップにおける障壁はない。

フォローオン投資(追加投資)

アーリーステージの企業数や新規のVCファンドの数は一貫して増加している。しかし多くのVCが後期のステージでの大規模な投資を好むため、アーリーステージのファンドの資金量はあまり増えていない。

そのため、投資可能な隙間(「家族や友人」とVCの間ににあるスペース)は依然として大きいが、VCはエンジェル投資家が資金を提供した新規企業の流出を得るために競っている。

充分な才能

優秀な人材を見つけることは常に課題である。現在は純粋に、人材よりも経済が大きく成長している。その一方で東南アジア地域の経済の拡大は、新規事業を立ち上げようとする多くの優秀な外国人人材を惹きつけている。

イグジットの機会

イグジットの多くはM&Aで実現されており、大規模なIPO(Razerやゲーム会社のSeaに代表されるような)はほとんど行われていない。東南アジアがVCの誘致を進めるにつれ、より多くのPEファンドが今後の機会を掴むために参入してくるだろう。

翻訳元:https://e27.co/why-southeast-asia-is-great-for-your-angel-investments-20200618/

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