フェイクニュースとの戦い:WhatsAppの新機能から見るソーシャルメディア各社の情報コントロール

WhatsAppはアプリ内での御情報拡散を防止する新機能を一部地域で導入した。Facebook、Google、Youtubeなど、あらゆるプラットフォームが手を焼いている誤情報やフェイクニュース、今後どのように対策されていくのだろうか。
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8月3日、WhatsAppはアプリ内で送信されたメッセージ、特に複数回繰り返し送信された内容のメッセージに関して、その真偽や安全性を瞬時に判別する新機能を導入した。現在、ブラジル、イタリア、アイルランド、メキシコ、スペイン、イギリス、アメリカのAndroid、iOS、そしてWeb版の各WhatsAppアプリの最新版で同機能を利用できる。

この機能について、公式の発表では、リンクを含むシェアメッセージに対して虫眼鏡のわかりやすいボタンアイコンを配置するデザインであるという。このボタンをクリックすることで、web上の他の共有を確認することができ、ユーザーはこの検索結果をもとに自身もシェアするかどうかを判別することができるようになる。

また、この機能によって、ユーザーはブラウザから直接的にコンテンツやその他の情報をシェアしやすくなるという。これはプラットフォーム上でフェイクニュースや誤った情報などの拡散を抑えたいというWhatsAppの思惑によるところが大きい。

とは言え、この機能はWhatsAppを保有するFacebookによる「メッセージアプリ内の転送速度や量の制限と抑制」という目的に対する手段の一つでしかないだろう。

同社は、コロナウイルスの流行が始まった時も、メッセージの共有機能に対して5人目以降の拡散を一定条件で制限する機能を導入していた。また自分の知らない人から発信された情報に対して特別なラベルを表示する機能も追加された。

興味深いことに、これはリツイートする前にそのコンテンツをよく読むように促すTwitterの新機能に酷似している。

2020年、世界的なパンデミックの発生はSNS上での誤情報の拡散を増加させ、各ソーシャルメディアプラットフォームは対策に追われてきた。

例えば、Facebookはプラットフォーム上のコロナウイルスに関する誤情報をブロックする措置を取った。GoogleはCOVID-19に関する陰謀論などを促進するページへの広告掲載を停止し、Youtubeはウイルスの治療法に関する誤った情報を含んだ動画に対する特別アラートを強制的に行っている。

これらの対応によって、ソーシャルメディア上での誤情報が全てなくなるということではないだろう。しかし、これらのテック企業がその技術力によってある程度の制限を行うことは可能である。そして誤情報を意図せず拡散してしまったり、潜在的な発信者になってしまう可能性を下げることは期待できるだろう。

とはいえ、今のところ、冒頭で紹介したWhatsAppの新機能がいつ全世界で利用可能になるかはわかっていない。

翻訳元:https://techpoint.africa/2020/08/04/whatsapp-web-search-feature/

記事パートナー
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執筆者
滝口凜太郎 / Rintaro TAKIGUCHI
Researcher&Writer
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