このプラットフォームを立ち上げてから、実際のところフェムテックがどんなもので、どんなものでないのか、まだよく知られていないことに気付いた。そこで今回は「そもそもフェムテックとは何なのか?」という疑問に答えようと思う。
一般的にフェムテックとは、テクノロジーを使って女性の健康をサポートするソフトウェア、診断、製品やサービスのことを指す。フェムテックという言葉自体は、生理日記録アプリ「Clue」の創業者であるIda Tin氏による造語だ。
(ほとんどが男性の)投資家たちの議論の中で紹介し、偶然にも新しいカテゴリーを生み出したことが由来となっている。
前述のように、フェムテック分野は女性の生活経験全体を扱うことを目的としている。通常この分野のイノベーションは、次のうちのいずれかに分類される。
月経、生理ケア用品
出産、避妊
更年期障害
慢性疾患とホルモン障害
骨盤の健康
妊娠、妊娠中
授乳
セクシャルウェルネス
ヘルスケア全般
フェムテックという言葉自体が幾分か物議をかもしているのだ。包括的でなく、性差別的で、定義上トランス男性を除外していると主張する人もいる。
大抵の場合、フェムテックは「女性の生活を向上させるテクノロジー」という意味で理解され、実際のところそうである。しかし、この定義はかなり広いと思われ、実際には女性の健康に関する技術的進歩を表現する言葉として使われている。
「ライフスタイル」というよりも、「医療技術」と言ったほうがいいかもしれない。
また、フェムテック製品はPink taxを助長するという批判もよく聞かれる。Pink taxは、「ジェンダーに基づく価格差別の一形態とされる現象で、その製品の多くがピンク色であることから名付けられた」ものだ。同じ商品であっても、女性向けに割高な価格で売られるカミソリなどの製品が、Pink taxとよく関連付けられる。
フェムテックの目的はこれとは大きく異なっている。それは、女性の健康に関する課題に対応するために特別にデザインされたソリューションを生み出すことであり、既にある製品をリブランディングしたりリポジショニングするのではなく、本当の意味でのイノベーションを起こすことなのだ。
フェムテック関連の論争を詳しく知りたい方は、Megan Capriccioのこちらの関連記事を読んでほしい。
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Frost & Sullivanによると、フェムテック市場は2025年までに500億ドル規模になる市場ポテンシャルがあるとされている。
翻訳元:https://femtechinsider.com/what-is-femtech/
表題画像:Photo by Atelier Unes on Unsplash (改変して使用)