リトアニア:外国企業や外国人起業家がリトアニアを事業開発地に選出【スタートアップビザリトアニアプログラム】

EU随一のスタートアップ先進国として近年急速な成長を見せているリトアニア。躍進を続けるその現状をまとめる。
経営者 VC/CVC

リトアニアと他国のスタートアップエコシステム間の競争が急速に激化している一方で、EU圏以外の国からの革新的なビジネスは、リトアニアのスタートアップエコシステムを歓迎している。これは、過去2年間と比べて2倍の数の外国のスタートアップ企業が、スタートアップビザリトアニアプログラムを利用して、事業開発のためにリトアニアを選んだという事実からも明らかである。

Marius Skuodis経済革新省副大臣は、次のように述べている。「スタートアップビザリトアニアプログラムの開始以来、外国人が管理するスタートアップ企業40社がすでにリトアニアで企業登録され、事業を展開している。そのうち20社は昨年設立された。2019年のこの結果は、リトアニアが国際的なスタートアップ・マップ上で目に見えて知られるようになったこと、また、リトアニアに興味を持っている人たちへの個別の関心が高まったことに起因する。これは、近隣諸国の中でリトアニアの独自性を発展させ続けることをも後押ししている」

「Enterprise Lithuania」のスタートアップエコシステム開発部門「Startup Lithuania」の責任者であるRoberta Rudokienė氏は次のように語る。「リトアニアの機関やスタートアップエコシステムの参加者が国内のビジネス環境を改善するために多大な努力をしているとはいえ、リトアニアでスタートアップを展開する機会を与えられた外国人起業家がすぐにそうするとは限らない。そのため、近隣諸国の中で目立ち、非EU圏のスタートアップの第一候補地になることは容易でない。海外での事業展開の機会を探す際、非EUのスタートアップは他のヨーロッパ諸国でもその機会を探している」

「昨年、記録的な数のスタートアップがリトアニアへの事業の移転とリトアニアでの開発のための申請書を提出したという事実は確かにあるが、私たちは同時に、外国のスタートアップを誘致するためのヨーロッパ諸国の競争において、リトアニアが独占的な地位を築いているわけではないことにも気づいた。そのため今年は、外国のスタートアップを誘致し、競争優位性を高めるための新たな手段の創造に、より多くの注意を向けたいと考えている」と同氏は語った。

スタートアップリトアニアで入手可能なデータによると、2019年、スタートアップビザリトアニアプログラムは合計274件の申請を受けた。これは2018年と比較して57%の増加を意味する。受け取ったすべての申請のうち、71社の外国のスタートアップがプログラムの要件を満たし、その革新的なビジネスをリトアニアに移転するための証明書が授与された。2018年は41社のスタートアップがプログラムの要件を満たした。リトアニアは主に、フィンテックやSaaSのスタートアップに選ばれている。また、グリーンエネルギー、ヘルステック、またはEdtechのスタートアップの申請も急増している。

スタートアップビザリトアニアは、「Enterprise Lithuania」のスタートアップエコシステム開発部門「Startup Lithuania」が調整したプログラムである。このプログラムの主な目的は、外国人の才能と企業をリトアニアに誘致することである。リトアニアに事業を移転した個人は、国内で利用可能なすべてのインフラを利用し、国民経済に付加価値を与える革新的な製品を開発することができる。

スタートアップリトアニアのデータベースによると、リトアニアでは現在940社以上のスタートアップ企業が活動しており、昨年は1億7,060万ユーロ以上の投資を誘致した。

翻訳元:Startup Lithuania "Twice as Many Foreign Start-ups chose Lithuania for Business Development Last Year"

https://www.startuplithuania.com/news/twice-as-many-foreign-start-ups-chose-lithuania-for-business-development-last-year/

記事パートナー
リトアニアのスタートアップエコシステムの発展を推進する団体
執筆者
武田彩花 / Ayaka Takeda
Contents Writer
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