【皮膚パッチ】バイオプリント技術が可能にする糖尿病性足潰瘍の治療とは

韓国のバイオプリンターメーカーROKIT Healthcare社は、4Dバイオプリンティング技術をベースに糖尿病性足潰瘍の新しい治療に成功した。これは、患者固有のデザインを可能にし、個別化された治療ソリューションを提供するものだ。独自の治療プラットフォームは、すでに他の形態の組織損傷や病気の軟骨再生にも進出しており、ROKIT Healthcare社は今後の我々のライフスタイルを理想のものにするであろう4Dプリント技術の最先端を担っているといっても過言ではない。
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糖尿病性足潰瘍とは

(写真引用元:Photo by Nino Liverani on Unsplash)

治療の話の前に、まず糖尿病性足潰瘍が何であるかを説明しなければならない。糖尿病性足潰瘍とは、糖尿病患者の足の裏の皮膚組織の破壊のために発生するただれのことだ。このタイプの潰瘍は一般的に、足の指の裏側やかかとに発生し、糖尿病患者の約15%がこの疾患に苦しんでいる。潰瘍が一度発生すると、切断のリスクが高い(14~24%)。60%〜80%は治るが、糖尿病性足潰瘍はすぐに治療を受けることが非常に重要だ。

  

  

糖尿病性足潰瘍の標準的な治療法

糖尿病性足潰瘍の適切な治療法を選択する際には、まず原因を見極めることが重要だ。神経組織が関係しているのか?血管が関係しているのか?そして血管性潰瘍はより深刻だ。専門の外科医で精密検査を行う必要がある。外科医は最終的に患者に手術が必要かどうかを判断し、適切な治療計画を提案する。全体的には、患者はできるだけ足を休めておくことが重要だ。あまり頻繁に立った状態でいると、潰瘍が悪化したり、サイズが大きくなったりする可能性があるのだ。以下に糖尿病性足潰瘍の標準的な治療法のいくつかをあげる。

  

糖尿病性足潰瘍の治療法の種類:

・矯正用の履き物を装着する(糖尿病用靴、ギプス、包帯、靴の中敷き、足を突っ張るサポーターなど)

・絵師組織の除去(医師が行う)

・抗生物質による皮膚移植(処方すべき抗生物質を決定するために潰瘍の組織サンプルをラボに送る)

・軟膏として医療用の蜂蜜を使用し、毎日足浴する(潰瘍は防腐剤またはスーパーオキシド溶液で毎日洗浄する必要がある)

  

  

糖尿病性足潰瘍のためのバイオプリント皮膚パッチとは

糖尿病性足潰瘍の治療管理方法を長年研究してきた韓国のバイオプリンターメーカーROKIT Healthcare社は、4Dバイオプリンティング技術をベースにした、カスタマイズされた組織再生プラットフォームにより、糖尿病性足潰瘍の新しい治療に成功したことをついに発表した。治療プラットフォームには、Dr.INVIVO"を使用しており、これは世界初の無菌・オールインワン4Dバイオプリンター/臓器再生装置である。

この新しい治療法は、インドの糖尿病患者を対象とした試験に成功し、世界的に商業化された。Dr.INVIVOはすでに48カ国で販売されている。国内特許に加え、EMA(欧州医薬品庁)の認証を取得しており、現在は米国での商業化を可能にするためFDA(アメリカ食品医薬品局)の手続きを進めている。Dr.INIVIVOを使用したROKIT Healthcare社自家製(組織の受け手がドナーでもあるという意味)の皮膚再生技術は、糖尿病性潰瘍、圧迫性潰瘍、瘢痕再形成、熱傷の治療薬として、EMAから非先進治療薬(非ATMP)の承認をすでに受けており、これは手術室で使用することができるということを意味している。

ROKIT Healthcare社は、韓国、北米、欧州、東アジアで臨床試験を継続していく。この技術は、迅速かつ安全で、費用対効果の高い再生療法ソリューションだ。たった1回の施術で傷口が大幅に小さくなることが実証されており、さらにそれが皮膚の再生を促進する。

  

  

糖尿病性足潰瘍の治療としてバイオプリント皮膚パッチを使用するプロセス

・プロセスは患者から採取した脂肪組織から始まる。(例えば、脂肪吸引など)

・その後、採取された脂肪組織サンプルは「バイオインク」を形成するための細胞外マトリックス(ECM)混合物を調製するために使用される。「バイオインク」は、材料と細胞の混合物である。

・この「バイオインク」をROKIT Healthcare社ののDr. INVIVO 4Dバイオプリンターに装填し、真皮パッチを作成する。

・最後に、損傷した組織を除去し、パッチと交換する。

ほとんどの患者において、傷口は2~5週間で完全に閉じる。従来の治療法と比較するとこれは、治るまでに数ヶ月かかり、複数回の治療や長期間の経過観察が必要になることがある。また、治療プラットフォームには、患部の3Dスキャン、診断、パーソナライズされた「バイオインク」によるバイオプリンティング、治療手順キットなど、糖尿病性足潰瘍の治療に必要なすべてが含まれている。

しかしながら、この新しい治療法の鍵を握っていたのは、ROKIT Healthcare社のDr.INVIVO社の 4Dバイオプリンターの糖尿病性足潰瘍にカスタマイズされた治療のため迅速な再生ソリューションであった。そのため、皮膚パッチをプリントするための正確で迅速なプロセスを提供するだけでなく、Dr.INVIVOは患者固有のデザインを可能にし、個別化された治療ソリューションを提供する。

   

    

糖尿病性足潰瘍の治療は始まりにすぎない

ROKIT Healthcare社の独自の治療プラットフォームは、すでに他の形態の組織損傷や病気の軟骨再生にも進出している。

「病院の中にある3Dバイオプリンティングサービスを想像してみると、損傷部や磨耗した体の一部の再生ができる。人間の体は細胞、タンパク質、細胞害物質により構成されており、これは再生臓器のための「バイオインク」と同じように使うことができる。そえゆえ、私たちは傷ついた体を元の形や機能に再生させることができる。4Dバイオプリンティング技術は、肌や、軟骨、骨組織のような人間の臓器を作る最良な方法である。第四次産業革命の時代に生きるわれわれは、医療を含む私たちのライフスタイルを理想的に変えていくだろう。今、ROKIT Healthcare社は4Dバイオプリンティング技術の最先端をいく先駆者である。」とROKIT Healthcare社のDFU・皮膚再生戦略ビジネスユニットの代表取締役社長であるキム・ジェヒ博士は述べた。

   

   

翻訳元:https://seoulz.com/treatments-for-diabetic-foot-ulcers-with-bioprinted-skin-patches/

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