Contxto - 中南米の大都市を行き来する物流スタートアップ企業は数多く存在する。しかし、大都市の郊外では、これらの物流プラットフォームがカバーされていないことが多い。これは、中南米の大都市郊外が「危険地域」と見なされているためである。しかし、ブラジルのラストワンマイル配送スタートアップの Traz Favela は、こうした郊外地域に物流プラットフォームを提供することを目論んでいる。
ブラジルにはこの種のサービスを必要としている地域がたくさんあることを知っているTraz Favelaは、現在、規模拡大のための資金調達を計画中である。
プラットフォームの話になると「デジタルデバイド」が取りざたされる。
「デジタルデバイド」は、先進国と発展途上国の問題として描かれることが多いが、実はそのような単純な問題ではない。
デジタルデバイドは、個々の国や都市の中にまで浸透している。この問題を放置しておけば重要な機会・製品・サービスへのアクセスが制限され、格差はさらに拡大してしまう。
Traz Favelaが解決しようとしているのは、物流プラットフォームの地域格差を埋めるという単純なものではないことが分かるだろう。
多くの物流企業は「悪評の多い」都市郊外地域への配送サービスを避けている。
一方、Traz Favelaは、場所に偏りのない配送サービスを提供することを使命としている。これを実行するために同社は、都市郊外地域の地元宅配業者を雇うというコンセプトを採用している。
同社は現在、ブラジルのサルバドール地域の26のコミュニティで活動している。COVID-19の状況下で注文が300パーセント近く増加したと報告している。
Traz Favelaが提供する都市郊外地域におけるラストワンマイル配送ソリューションは、地域の配達者に収入源を提供している。また、地元企業と潜在的な消費者を結びつけることができるため、中小企業にとっても販路拡大に繋がるなどのメリットがある。
新型コロナウイルスの流行を受けて、世界中のユーザーが、薬やお気に入りのレストランの食品、さらには食料品を手に入れるために、物流スタートアップに頼っている。
物流スタートアップがカバーする配達範囲内に住んでいればあまり考えることはないかもしれないが、このようなサービスはどこにでも当たり前のように存在しているわけではないことを忘れてはいけない。
翻訳元:Why the world needs more logistics startups like Traz Favela