韓国市場への参入を狙う台湾スタートアップ企業10選

2021年のCES(Consumer Electronics Show)は新型コロナウイルスの影響により、初のバーチャル開催となった。CES台湾パビリオン展示ホールには100社が参加した。どの企業も革新的なソリューションを披露していたものの、本記事では中でも、韓国市場への参入が予想される台湾スタートアップ10社を選出した。
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2021年のCES(Consumer Electronics Show)は新型コロナウイルスの影響により、初のバーチャル開催となった。

韓国の中小ベンチャー企業部は、韓国スタートアップの認知度向上を目的として、オンラインイベントに、K-Startupパビリオンを設置し、また台湾からも100社以上のスタートアップが参加した。

CES(Consumer Electronics Show)は世界最大の家電ショーであり、世界中のイノベーターたちの注目を集めている。本イベントでは、最新の革新製品やサービスを世界に向けて発表する場として、多くの大企業からスタートアップ企業など幅広い規模の企業が参加している。

オンラインCES 2021イベントでは、下記の分野から多くの革新的な技術が発表されていた。

  • 5G

  • IoT

  • 広告

  • エンターテインメント

  • 自動車

  • ブロックチェーン

  • 健康

  • ビデオエンターテイメント

  • プロダクトデザイン

  • ロボット・AI

  • スポーツ

  • スタートアップ

主催者である消費者技術協会(CTA)によると、CES2021にはサムスン電子やLG電子などの大企業や中堅企業のほか、韓国 中小ベンチャー企業部が支援するスタートアップも多数参加したという。

また、2021年に参加した韓国企業の数は300社で、米国に次いで2番目に多かった。

韓国市場への参入を狙う台湾スタートアップ企業

CES 2021には、韓国のスタートアップに加え、100社以上の台湾のスタートアップチームが参加した。

Taiwan Tech Arena(TTA)は一部のパビリオンの主催者として本イベントに参画した。

台湾は韓国同様、優れたハイテク研究開発能力、高度な訓練を受けた専門家、起業家のネットワークが盛んであることで有名である。TTAは、台湾のスタートアップ企業やハイテク産業、そしてグローバルな資本をつなぐ架け橋として設立された機関である。

TTAは本イベントにて、世界に向けて下記の発信を行った。

  1. 企業とキーマンのソフトスキルレベルを向上させるために、1対1のオーダーメイドトレーニングを提供していくこと。

  2. 1年後のCESに向けて「TTA台湾VRパビリオン」を設立し、長期的なプロモーションを実施すること。

  3. 企業動画や3D動画作成による認知度向上施策を実施すること。

  4. 様々なピッチイベントに参加し、より多くのクライアント、サプライヤー、ベンチャーキャピタルとのマッチングを行うことで、国際舞台での成長を加速させること。

上記の他に、パビリオンでは、「スマートリビング」「テック・フォー・グッド」「サイバーセキュリティとクラウド」「ヘルスケア・ウェルネス」「モビリティ・テック」の5カテゴリーが紹介された。

なお、CES台湾パビリオン展示ホールには100社が参加した。どの企業も革新的なソリューションを披露していたものの、本記事では中でもトップ10社に絞り、韓国市場への参入が予想される台湾スタートアップ10社を選出した。

1. 3drens

3drensは、レンタカー、物流、輸送、自動車メーカーなどの商業車オーナー向けに、データドリブンなIoTプラットフォームを提供している。同プラットフォームにはIoT資産管理、予知保全、運転行動評価、旅程最適化などの機能が搭載されている。プラットフォーム上の機能は柔軟にカスタマイズすることができ、顧客ニーズに合わせた調整が可能である。オープンデータと組み合わせることで、業務効率の向上、コスト節約、利益の増加につなげることが可能である。

2. ACSI Laboratory

ACSIラボラトリーは、個人で鍼灸治療や理学療法体験が可能となるデバイスを開発している。本デバイスは自動的に最適ポイントを見つけ出し、自動的に針を落とす機能が備わっている。また、熱、圧力、電磁エネルギー、赤外線を用いた治療も可能である。

3. Agromeans

https://sunryse.co/app/startups/r_upbgyakwbqtpdhm

Agromeansは、照明技術開発に特化した農業スタートアップである。同社は、エネルギー効率の高いLEDとAIシステムを組み合わせることで、植物の成長速度・収量を向上させることに成功した。同社のLEDを採用することでエネルギー消費量を30%削減することが可能となる。

4. AuthMe

https://sunryse.co/app/startups/r_nnnjseuramsjznh

AuthMeは、安全かつ簡単なID認証ソリューションを提供しているスタートアップ企業である。同社のソリューションは、OCR、NFCを使用して生体認証IDをロック解除するためのキーを取得することが可能であり、全てのプロセスは、わずか3分で完了する。また、本ソリューションは、手作業による審査コストを70%削減し、登録時間を90%短縮し、100%の精度でIDの真正性を確認することができる。

5. ible

https://sunryse.co/app/startups/r_tsbhopeprhbznab

IoTスタートアップのibleは、ノイズキャンセリングイヤホンを搭載したウェアラブル空気清浄機「Airvida」の生みの親である。このウェアラブル空気清浄機は、吸入可能な空気中のアレルゲン、ウイルス、PM2.5を低減することができる。地下鉄、バス、公共交通機関、屋外での空気質改善に最適なソリューションである。Airvidaは、ECO ION技術革新を採用しており、ユーザーの顔周りに0.6秒ごとに、1立方センチメートルあたり200万個のマイナスイオンを効果的に発生させることができる。

6. iPreg

iPregは、体外受精療法のための精子選別チップの開発に取り組むスタートアップ企業である。iPreg精子選別チップを使用すると、器具を追加することなく、簡単な手順で健康な精子を選別することができる。チップ操作から15分以内に進行性精子の割合が90%まで上昇し、進行性精子の純度と品質が大幅に向上することから、体外受精療法の不妊治療効果の向上も期待できる。

7. KDH DESIGN

https://sunryse.co/app/startups/r_ibodvnikhsgkdqd

KDH DESIGNは、AR技術を駆使し、コンシューマー、産業、軍事、自動車産業向けのフレキシブルな透明フィルムを開発しているスタートアップ企業である。同社の透明フィルムは柔軟性なだけでなく、高輝度を維持しており、遠方視野や近眼用途に活用可能である。現在、同社のARフィルムソリューションは特許出願中である。

8. LYDSEC

https://sunryse.co/app/startups/r_bcpgtkpogdrfsow

LYDSECは、BAOという新世代クラウド認証製品を開発しているスタートアップ企業である。銀行、決済会社、スマートビル、電子商取引、オンラインゲーム会社、ヘルスケアなどあらゆる業界への進出に成功している。BAOは、実装が簡単、かつ費用対効果の高いソフトウェアであり、コンシューマーテクノロジーのパイオニアとも呼ばれている。なお、本製品では、モバイルデバイスやコンピュータ機器を介してプログラムのアカウントを制御し、確認することができる。また、新しいデザインのキーロック機能により、インターネット上でのオンライン・オフライン取引の利便性を向上させている。

9. NUWA Robotics

NUWA Robtoicsは、AIを搭載したソーシャルロボット開発プラットフォーム「kebbi AIR」の開発に取り組んでいる。プラットフォームを子供たちに提供することでインタラクティブな学習や遊びの体験を作り出すことに成功しており、台湾では既に600校以上の学校がkebbi AIRを教室での語学教育に利用している。kebbi Airは、環境の変化に応じて、顔、物体、ジェスチャー、音源、音声、文脈を認識することができるオールインワンロボットである。また、ユーザーは、ロボットに100パターン以上の反応をプログラミングすることができ、印象的なインタラクティブな体験を提供する。

10. Strike

Strikeは、世界初のスマートベースボールを開発した企業である。このスマートベースボールには精密センサーが内蔵されており、スピンレート、回転軸、速度、軌道、トップタイム、位置などを測定することができる。そのため、定量データを基に科学的なトレーニングを通じて、アスリートの未開拓の可能性を発見することができる。

翻訳元:Top 10 Taiwanese Startups Looking to Enter the South Korea Market

表題画像:Photo by FLY:D on Unsplash (改変して使用)

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