「Burgreen」の共同創設者であるHelga Angelina Tjahjadi氏が10年前にオランダの首都アムステルダムに移住した時、彼女は将来の夫である共同創設者マックス・マンディアスに出会った。
インドネシアの首都ジャカルタを拠点とする「Burgreens」は、アジアの食文化に特化したオーガニックでヘルシーな植物をベースにしたレストランである。客層のほとんどがベジタリアンではなく、健康意識の高い人々や、健康や環境に配慮して肉類をあまり食べないようにしている人々である。
Tjahjadi氏は自身の重度の慢性疾患を理由に15歳からビーガンメニューを中心とした食事をとっており、Max氏は環境上の理由からビーガンメニューを選んでいる。
2人はアムステルダムで植物を使ったレシピのテストを開始。その後、Tjahjadi氏は夫に説得されてインドネシアに戻り、そこからビジネスを始めることにした。最初はメニューのアイデア出しから、ハンバーガーのパテ作り、マックスの自宅の地下室をキッチンに改造や料理の提供まで、すべてのプロセスを夫婦で行っていた。
「正直に言うと、最初の3年間はビジネスプランもなくビジネスを始めていた。とにかく私たちの情熱に従って行動していた」とTjahjadi氏はe27に話した。振り返ってみると、ビジネスが軌道に乗ったのは3年目に入ってからだった。成功への道のりは必ずしも順風満帆とは言えなかった。
「私たちは最初の数年間で複数のミスをしてしまった。新しく基盤を築くよりも前に早く成長してしまい、ひどい結果を招いたのである」と、直面した課題について説明した。
「私たちがビジネスを始めたとき、詐欺などの不正行為の問題に対処しなければならなかった。その過程で、財務やチーム、管理システムを改善し、強固な基盤を築く過程から、多くのことを学んだ」。
彼女はある従業員が注文を取ったにもかかわらず、システムに入力しなかった出来事を思い出した。「少ない金額だったとしても、従業員は毎日同様のことを約1年間づづけていた。結局、合計するとかなりの金額になってしまった」と振り返る。
しかし、様々な困難にもかかわらず、夫婦は2人のチームから、ジャカルタ、タンゲラン、バンドンに10店舗を持つ150人のチームへとビジネスを成長させたのである。また、最近ではシンガポールを拠点とするVCの「Teja Ventures」と「Angel Investment Network (ANGIN)」の投資家からプレシリーズAの資金調達に成功した。
彼女は自身の成功は、運や努力、情熱の組み合わせによるものであるとし、仲間の起業家たちに、失敗を恐れず、学ぶことを勧めている。
「Burgreens」はより手頃な価格で、ヘルシーな食べ物を主流にしたいという目標を抱いている。
「アジアの国々では、多くの肉類がをとても手ごろな価格で食べられる。もしヘルシーな植物性の食事に焦点を当てるのであれば、味だけでなく栄養面でも注目しなければならないということを留意したい。味や食感だけでなく、栄養面にも気を配り、普通の鶏肉と同じ量のタンパク質を提供することに私たちは重点を置いている」と彼女は説明する。
Tjahjadi氏はさらに、当初、彼らのビジネスはニッチな顧客基盤を抱えていたと話す。しかし、新型コロナウイルス感染症のパンデミック発生により、多くの報告書は食肉市場がウイルスの発生源であると特定したため、彼らはより多くの支持を得たのである。
彼女によると、ミレニアル世代のグループの間では、健康的な食の議論や気候変動、二酸化炭素排出量の削減についての意識が高まっているという。これらのすべての要因を考慮に入れると、今後も同様のトレンドが続くだろう。
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多くの欧米ブランドがアジア市場での植物性食品のチャンスを認識していたが、「Beyond Meat」や「Impossible Meat」のような企業はパンデミック以来、参入を加速させている。
「Burgreens」がこれらのブランドと異なるのは、アジア人の味覚に合った植物ベースの食事の製造に特化している点である。
「MarketsandMarkets」が発表したレポートによると、東南アジアの植物ベースの市場では2025年までに145億米ドルもの価値が誕生すると推定されている。
「小売業者は主食の供給を確保することに注力しており、新しい植物性食品のストックにはあまり関心がなかった。しかし、食の安全性やウイルスへの懸念から、消費者はより多くの植物性食品を求めるようになっている」と、「Big Idea Ventures」の創設者であるAndrew Ive氏はfoodingredientsfirstに語っている。
北米やヨーロッパ市場ではすでに人気のあるテーマになっているこのトレンドは、新たな市場で、新たな力を獲得し始めている。