韓国でドローン産業が急成長している。
現在、ドローンは韓国において災害救助(COVID)、農業、修理、物流など多くの用途に利用されている。また、韓国ではレクリエーションに使われるパーソナルドローンへの関心も高まっている。
しかし、韓国でのドローン産業の振興という文脈において、韓国政府機関と韓国物流企業の間で絶え間なく議論が展開されている。現在、ドローン製造では中国が世界をリードしている。しかし、ドローンのイノベーションという点では、韓国は世界をリードする可能性を秘めている。
(写真引用元:Photo by Josh Sorenson on Unsplash)
韓国ドローン産業のトップを走るのが、Remo-Mの開発を手掛けるHojung Solutionsである。同社はドローン製造のみならず、ドローンを使った測量や地図作成も行っている。
韓国の他のドローン系企業には、ドローン販売・ドローン教育に注力するGiantdroneや韓国軍が初めて使用した事用無人航空機(UAV)を開発したUCONSYSTEMなどがある。UCONSYSTEMは現在、農業用散布用の無人ヘリコプターやドローンも開発しており、民間のドローン市場にも参入している。
(写真引用元:Photo by Dose Media on Unsplash)
韓国ではドローン配送ソリューションも進んでいる。
最近、PABLO AIRが済州島西帰浦港から武藤島天津港までの長距離ドローン配送を成功させた。韓国のEコマース企業は、宅配スピードを向上させるために、ドローン配送システムに注目している。
ドローン配送スタートアップのトップはPABLO AIRである。同社は無人の空中ハードウェアとソフトウェア開発に力を入れている。2019年後半、PABLO AIRは済州島の城ウィポ港から武藤島の天津港までの長距離ドローン配送に成功した。距離は57.5kmで、2時間弱かかった。現在、同社はエンターテインメントや教育産業にも事業を拡大している。
(写真引用元:Photo by Bertrand Bouchez on Unsplash)
国土交通部(MOLIT)は、ドローン専用航空ルートを開発した。
この専用ルートは、ドローンを一般市民から遠ざける上で重要な役割を果たすことになる。ドローンがこれらのプログラムされたルートを移動し続けることで近辺の障害物・スペースについてより良質なデータが蓄積され、3Dマッピングの構築に繋がることになる。
これまでドローン飛行においては、2Dマッピングが使用されていた、2Dマッピングのみでは障害物回避の精度に限界があった。
3マッピングレイアウトのテストは、韓国の5つの地域で既に開始されている。これらの地域は、主に商業ドローンが使用される韓国の遠隔地の工業地帯である。今後、韓国では航空管制や運用などの安全基準に引き続き注力していく必要があるだろう。
(写真引用元:Photo by Ricardo Gomez Angel on Unsplash)
韓国トップのドローン地区は、ソウルの北西に位置する仁川(インチョン)である。
既に航空産業複合施設(1万6000平方メートル)があり、ドローンのデモンストレーションや航空宇宙研究、無人航空機の試験などが行われている。同地区には20社以上のドローン用部品開発企業が進出している。仁川のドローン地区は松島新都市である。
松島はドローン製造やインフラの面において確固たる基盤を築いていす。
仁川は高層ビルに加えて陸と海の両方の特徴を持っているので、ドローン試行において最高の立地を持っていると言える。また、同地域はソウルに比べて家賃が安い。
松島ではドローンの無料飛行が許可されており、このような制限がない韓国でも数少ない場所の一つである。カジュアルなドローンユーザーも自由にドローンを飛ばすことができる。これにより、すでに街にドローン文化が生まれている。
仁川の近くでは、電動式の無人ドローンタクシーが漢江を越えてテスト飛行された。これは、無人のドローンタクシーの可能性と、2025年までに韓国にこれらのドローンが導入される可能性を示すためのものだった。ドローンタクシーは、ソウルの交通渋滞を緩和するだけでなく、環境改善にも役立つ可能性がある。
ドローン産業において韓国の強みが最も際立つのはソフトウェアである。
韓国にはドローンの部品やドローンのデータ処理、ドローンのナビゲーションなどのソフトウェアを作っている企業がたくさん存在する。韓国のドローンソフトウェア産業が強いのは、韓国が世界でもトップクラスの半導体産業を持っているからである。半導体は韓国のドローン製造技術の過程で重要な役割を果たしてきた。