韓国でついにSpotify in Koreaがリリースされた。
このニュースは音楽業界全体に大きなインパクトを与えたが、最も影響を受けるのは韓国のインディーズミュージシャンだろう。
韓国は世界で6番目に大きな音楽市場である。本サービスのリリースにより、韓国では6,000万曲以上の楽曲と40億以上のプレイリストがアクセスできるようになる。Spotifyは韓国の音楽、特にK-POPを世界の視聴者に届ける上で大きな役割を果たしてきた。しかし、これまで韓国ではSpotifyにアクセスすることができなかった。Spotifyは2014年に初のK-POPプレイリストをリリースさせ、それ以来、世界でK-POPのリスニングは2,000%以上増加してきた。
(写真引用元:Photo by sgcdesignco on Unsplash)
Spotifyは、少額の月額料金で世界中の音楽を無制限に聴き放題のプレイリストを提供するストリーミング・プラットフォームである。
世の中には他の音楽ストリーミングプラットフォームもあるが、Spotifyの強みはプレイリストの豊富さである。その数はなんと5000万曲以上にも上る。
しかし、Spotifyの真の人気の理由は、キュレーションされたプレイリストとレコメンド機能にある。 Spotifyのプレイリストは非常に人気があり、実際のアルバムよりも再生回数が高い。
RADAR Koreaは、フレッシュなK-musicアーティストを探索するのに最適なプレイリストである。Spotifyのグローバルエマージングアーティストプログラムの一環で提供されている。
このプレイリストの登場により、韓国のインディーズミュージシャンが自身の音楽をより多くの聴衆に届けることができるようになった。
これまで韓国のインディーズミュージシャンの多くは、自身の音楽を世に送り出すことが困難な状況であった。彼らの唯一の選択肢は、YouTubeのようなソーシャルメディアチャンネルを開設してオーディエンスを有機的に増やすか、路上ライブ(バスキング)を行うことであった。
韓国ラジオ局は、Kpopエンターテインメントの大手企業でない限り、アクセスが難しい。また、トップ音楽ストリーミングプラットフォームMelon、Genie、FLO、VIBEは、国内インディーズミュージシャンを紹介することに至っていない。
韓国におけるSpotifyの最大のライバルはMelonである。MelonはKakaoという韓国最大のメッセージングプラットフォームを運営している。
では、Spotifyはどうやって韓国市場に食い込んでいくべきなのだろうか?Spotifyが持つ利点はアーティストがSpotifyのプロフィールを通じて資金調達ができる機能と、新しいミュージシャンをプロモーションするSpotifyのレコメンドアルゴリズムである。韓国のインディーズミュージシャンはSpotifyを通じてファンを増やすこともできるし、それと同時に収入を得ることもできる。
韓国のインディーズミュージシャンとっては、韓国の商業ラジオ局で出演枠を得るよりも、Spotifyのプレイリストに載ることがずっと簡単になった。
しかし、現在、韓国のアーティストは月間リスナー数が100万人を超えない限り、Spotifyからのストリーミング収入で生計を立てることができない。そのため、Spotifyは収益源としてではなく、グローバルオーディエンスを増やすためのプラットフォームとして利用する必要がある。
Spotifyで成功するための鍵は、Spotifyのアルゴリズムを理解することである。ユーザーはSpotify上でパーソナライズされたプレイリストを持っている。Spotifyはユーザー情報を収集し、ユーザーのリスニングの好みに基づいておすすめのアーティストやプレイリストをプッシュする機能を持つ。インディーズミュージシャンとしてユーザーへの露出を増やすには、Spotifyがキュレーションするプレイリストに食い込む必要があり、それにはSpotifyアルゴリズムの理解が必要不可欠である。
Spotifyは各ユーザーに独自のプレイリストを作ることを奨励している。Spotifyはこの情報をもとに、毎週、各ユーザーのためにカスタマイズされた新しいプレイリストを作成する。Spotifyが作成するプレイリストは、プラットフォーム上のストリーミング総数の30%を占める。
韓国のインディーズミュージシャンがSpotifyの恩恵を受けられる理由は上述の通りだが、一方の大手レーベルはどうだろう?
Kpopエンターテインメント企業は2014年からすでにSpotifyの恩恵を受けている。同サービスはKpopを世界市場に広めるために大きな役割を果たしてきた。一方、Spotifyが韓国でリリースされることについて、Kpopエンターテインメント企業が受ける恩恵はそれほど無い。なぜならSpotifyのターゲットはすでにKpopを聴いている韓国人になるからである。
Spotifyのようなストリーミングサービスは、コロナウイルスの流行でユーザー数が大幅に増加している。韓国をはじめ世界中で多くのK-popライブやイベントがキャンセルされた。これにより、Kpopエンターテインメントのトップ企業の多くは、新たな収益源を模索する必要性が生じた。
Kpopコンサート業界は2020年に5億ドル以上の損失を出していると推定されている。これは、コンサートがキャンセルされたことで失われた数え切れないほどの雇用を考慮に入れていない。
ライブやコンサートが保留されている中、Kpopエンターテインメント企業はどのようにして売上を上げるべきなのだろうか。
Spotifyには "Today's Top Hits "や "New Music Friday "と呼ばれるトラフィックの多いプレイリストがあり、多くのKpopエンターテインメント企業がターゲットにしている。 彼らはSpotifyの編集者に自分たちの最新リリースを売り込み、これらのプレイリストに選ばれれば、Kpopエンターテインメント企業は大規模な世界的露出を持つことになる。このような世界的なプロモーションには、通常100万ドル以上の費用がかかるという。
韓国に住んでいる人は、AndroidやiOS app storeからSpotifyアプリをダウンロードするか、ホームページにアクセスしてダウンロードすることができる。 また、Spotifyアプリはプレミアム個人プランとデュオプランの両方でダウンロードすることができる。
Spotify の新規リスナーは、携帯電話で Spotify Premium を 7 日間無料で試すことができる。
翻訳元:Spotify in Korea Can Help Korean Musicians Reach Global Audiences