Slush2022 Day1イベントレポート:“THE BREAK OF DAWN”

SUNRYSEはヘルシンキで開催されているSlush 2022に参加し、現地のピッチやイベントの様子をリアルタイムに近い形で配信していく。本記事では、Day1の会場の様子をお伝えする。
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SUNRYSEはヘルシンキで開催されているSlush 2022に参加し、現地のピッチやイベントの様子をリアルタイムに近い形で配信していく。本記事では、Day1の会場の様子をお伝えする。

写真:SUNRYSE

Slushとは

Slushとは次世代の起業家を生み出し、支援することをミッションに掲げた北欧最大級のスタートアップカンファレンスである。学生主導の非営利団体として運営されている点が特徴的であり、今年度のSlushには約4,600のスタートアップ関係者、約2,600の投資家、そして400のメディアが集う。本拠地ヘルシンキにて開催される大規模なSlushに加え、世界各地でもSlush'Dと呼ばれる同じ系譜を受け継いだイベントが存在している。

写真:SUNRYSE

会場の様子

Slushが開催されるのはヘルシンキ中央駅から電車にてわずか一駅のExhibition and Convention Center of Helsinkiだ。会場内には大小異なる4つのステージと無数のブース、そしてミーティングスペースなどが設けられており各ステージでは「Too Good To Go」や「Revolut」、「Spotify」といった有名企業からの講演を聞くことができるようになっている。また各ブースは投資家との出会いやメディアへのアピールを狙うスタートアップが構えるものであり、多くの場合直接プロダクトを体験したり、ファウンダーから話を聞いたりすることのできる空間となっている。

写真:SUNRYSE

また、今年のSlushの特徴として、会場内に新たにメンタリング・エリアが登場していたことも興味深い。これはスタートアップが投資家やSlushで登壇したスピーカーにセッションに関する質問をしたり、彼らが抱える課題について相談できたりする場だ。他にも去年に比べて、Builders’ Studioの規模が大きくなっていた点も印象的であった。Builders’ Studioはスタートアップの初期からエグジットまで、スタートアップがどのように築かれるのか紹介するセッションとなっており、改めてSlushが起業家ファーストのスタートアップイベントであることを感じた。

写真:SUNRYSE

オープニングショー

現地時間10時に始まったオープニングショーは生演奏を含むダンス調の音楽とともに幕を開けた。今年度のSlushは、”THE BREAK OF DAWN(夜明け)”がテーマとなっている。メインステージとなるFounder Stageでは、舞台が夜明けを意識した映像により彩られ、CEOを務めるEerika Savolainen氏、Presidentを務めるMikko Mäntylä氏の2名によるオープニングメッセージが述べられた。

写真:SUNRYSE

彼らは近年の技術進歩やそれによりもたらされる現代の暮らしやすさについて触れた上で、mRNAワクチンの商業的な普及や量子コンピューターの登場といったここ数年間の変化に関わる話題を持ち出し、それらがもたらす大きな可能性は未来への初めの一歩、すなわち”THE BREAK OF DAWN(夜明け)”であると評した。

写真:SUNRYSE

その上でイノベーションにつながるさまざまなアイデアを持ったアーリーステージのスタートアップが集結し、スタートアップを上回る数の投資家が集まる今年度のSlushについて、多大なる貢献をする学生を中心としたバックグラウンド多様なボランティアへの感謝を述べた上で参加者同士が多分に交流し、楽しむよう促した。

見どころステージ

写真:SUNRYSE

Day1のステージではSlushのCEOを務めるEerika Savolainen氏とフィンランドのSanna Marin首相による対談が行われた。COVID19という危機を経て現在は戦争という新たな危機に直面するヨーロッパにおいて、巨大なスタートアップシステムを抱えるフィンランドがどのように危機へと対処し、生き残るのか首相の見解・主張が話された。SUNRYSEでは今後本ステージのレポートを公開する予定だ。

Slush100 ファイナル出場企業3社

Day2にSlush100のファイナリスト決定を控えるDay1においては既に20社に絞られている候補企業が更に3社へと絞り込まれ、発表された。Slush2022のSlush100においてファイナル出場可能な企業として選ばれたのは以下の3社だ。

Immigram

画像:「Immigram」ウェブサイトより引用

才能あるIT技術者や起業家の移民をターゲットに、Global Talent Visaの取得など移住に伴う複雑な手続きの合理化・自動化を可能にするエンドツーエンドのプラットフォームを提供する。同社サービスの詳細はこちら(SUNRYSEデータベース)。

国:イギリス

公式ウェブサイト:https://immigram.io

Sociability

画像:「Sociability」ウェブサイトより引用

障がいを抱える人が快適に暮らせるように、レストランやトイレなど街中の施設等について詳細かつ信頼性の高いアクセシビリティ情報を掲載・サポートするプラットフォームを提供する。同社サービスの詳細はこちら(SUNRYSEデータベース)。

国:イギリス

公式ウェブサイト:https://www.sociability.app/

Zeely

画像:「Zeely」ウェブサイトより引用

非マーケターをターゲットに機械学習により自動化・効率化を実現したマーケティングツールを備え、スマートフォンからウェブサイト作成や広告作成を可能にするプラットフォームを提供する。同社サービスの詳細はこちら(SUNRYSEデータベース)。

国:アメリカ

公式ウェブサイト:https://zeely.app/

以上がDay2にてSlush100におけるファイナリストとしての選出を目指してピッチを行う3社である。次回の記事では、Slush Day2の速報記事を配信する。


イベント開催のご案内(※終了済み)

この度、SUNRYSEチームがSlush 2022の報告会イベントを開催致します。SUNRYSR MAGだけではご紹介しきれない個別のスタートアップ事例やインタビューの様子、会場内の設置ブースや白熱したピッチバトルなど現地でしか得られないリアルな雰囲気をご紹介いたします。奮ってご参加ください。

詳細

場所:オンライン開催(ZOOM)

日時:2022年12月20日(火)19:00~20:00

費用:無料

お申し込みはこちら:TechPlay, Peatix

※本イベントは終了しております。スタートアップ紹介のソリューションをご希望の方は、こちらへお気軽にお問い合わせください。


表題画像:Photo by SUNRYSE

執筆:井田 新

編集:中嶋 清楓

表題画像作成:鬼頭 清香

執筆者
井田 新 / Arata Ida
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