ピッチコンテストSlush 100でフェムテックスタートアップ「Hormona」が優勝【独占インタビュー】

本記事では、2021年に開催されたSlush 100の優勝者であるHormonaの創業者Jasmin氏、Karolina氏との独占インタビューをお届けする。
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フィンランド発スタートアップイベント「Slush 2021」は、Day2にピッチコンテストSlush100のファイナルを開催。優勝を勝ち取ったのはフェムテックスタートアップ 「Hormona」だった。

「Hormona」は、ホルモンバランスのトラッキングアプリを提供しているスタートアップである。独自のテストとアプリにより、全ての女性が知っておくべき重要なホルモンバランスの情報の追跡、洞察、アドバイスをリアルタイムで提供可能なプラットフォームを提供している。

同社によると、80%の女性がホルモンバランスの乱れに悩んでおり、また75%以上の女性が自身のホルモン状態について理解していないと感じているという。一方、ホルモンバランスは、エネルギーの代謝や血圧、体温、メンタルヘルスや体の健康に影響を与え、実際に45種類もの症状がホルモンバランスと関連している(同社調べ)。具体的に、ホルモンバランスの乱れを放置すると、不安障害や自律神経失調症のような病気に発展してしまう恐れ、PMS(月経前症候群)や生理不順、不正出血、不妊、更年期障害などの婦人科系の疾患、抜け毛やニキビ、性欲低下などといった症状として現れることもある。

そこで同社は、科学的なデータに基づいたアプローチでホルモン状態をトラックできる環境を整備し、また正しい知識を提供することで、女性の健康課題を解決しようとしている。

本記事では、Slush 100の優勝者であるHormonaの創業者Jasmin氏、Karolina氏との独占インタビューをお届けする。

Slush 100 結果発表の様子。(画像提供:Slush 2021, Petri Anttila)

Slush100優勝、おめでとうございます。今の感想を教えてください。

有難うございます。本当に嬉しいです。Hormonaが優勝できたことに驚いています。同時にこのようなスタートアップが社会から必要とされており、注目されているということが確信に変わりました。Slushは初めて参加しましたが、ここでは素晴らしい人々と簡単につながることができたんですよね。私たちの事業に対して好意的な方が多く、Hormonaチームにとっても素晴らしいスタートとなりました。

Hormonaチームの今後について教えてください。

私たちはこれまで女性の健康に関わるソリューションを提供してきましたが、今後はこのソリューションを世界中の女性に届けたいと考えています。私たちはロンドンに拠点を置いていますが、できるだけ早くグローバルなブランドとして事業を成長させることを目指しています。

私達が知らない市場に進出するためには、その市場を知っているパートナーを探すことだと重要だと考えます。今はヨーロッパが中心ですが、ブラジルにパートナーがいたり、日本の企業とも話を進めています。今後は世界各国とパートナー締結し、グローバルにサービス提供をしていく予定です。

Slush 100ファイナルに登壇したスタートアップと審査員。(画像提供:Slush 2021, Julius Konttinen)

フェムテック・女性起業家に対してメッセージなどはありますか?

女性起業家として資金を調達することはまだまだ厳しい、これが本音です。全体の投資額を見ても、女性起業家への資金提供は数パーセントにすぎません。女性起業家として調達するのは本当に大変なことです。でも私が言いたいのは、とにかく続けること。続けと必ずゴールにたどり着けるということです。

私やジャスミンにとっても厳しい道のりでしたが、ただひたすら突き進み、あきらめず粘り強く続けました。現状に満足しているだけではいけないのです。それらを受け入れてはいけないと私たちが理解できた瞬間に、私達は世界を変えることができる、そう思います。

もしあなたの体調が悪くてお医者さんも原因を突き止められなかったとしても、治そうとしますよね。投資も経営も同じです。投資を集めるにしても、ビジネスを始めるにしても、続けることが大切です。自分が心に決めたことは必ず達成できると信じています。

Hormona 創業者のピッチ:Slush YouTube

Hormonaの創業者Jasmin氏、Karolina氏へのインタビュー時の様子。

執筆者
Mari Matsuzaki /
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