Contxto - 新型コロナウイルスの流行によって世界中の飲食店が軒並み大打撃を受けている中、remotekitchenというメキシコのフードテック企業が注目されている。
remotekitchenの技術を使った飲食店オーナーは、スマートフォンを使って飲食店経営に係る「全て」を運営可能である。例えば、オーナーは顧客とのコミュニケーションや注文を受けるだけでなく、レストランの宣伝や支払い処理までできるようになる。
同社は小さな飲食店として創業されたが、パンデミックの影響を受けて経営が圧迫されている状況を見て、すぐに完全デジタル化へと舵を切った。
同社は飲食店向けに固定価格のSaas型ソリューションを提供しており、同社ソリューションを活用することで飲食店はコストを拡大することなく注文数を増やすことができるという。
中南米の外食産業は、IT技術の導入が進んでおらず、従業員の手作業を重視した時代錯誤な経営がまだまだ散見される。フードテック系メディア「The Spoon」によると中南米の独立系レストランの約96%は、IT技術が全く導入されていない。
シンプルさウリにしたremotekitchenのソリューションは、オーナーと顧客の両方のプロセスを省力化することを目指している。
SaaSのライトバージョンでは、ウェブサイトとしての基本的な「今すぐ注文 」ボタン機能や、注文管理、受信用モバイルアプリ、プロモーション管理のようないくつかの特典が含まれる。
プラスバージョンにグレードアップすると、決済サービス、ならびに企業ブランディングのためのカスタマイズが可能になる。
現在、同社はメキシコシティ周辺の10のレストランと提携しており、今後はビジネスのスケーラビリティの理解やユーザーニーズの抽出を進めていく。
また、加盟希望者も50店ほど存在し、これらの店舗との契約も随時進めていく予定であるという。
有名なフードテックアクセラレーターであるFood-Xも同社の動きに関心を示しており、同社が運営するアクセラレータープログラムへの参加を打診した。
Food-XのディレクターであるPeter Bodenheimer氏は次のように語る。
「remotekitchenは、これまで一緒に仕事をしてきたどのチームよりもPDCAを早く回せている。顧客、アドバイザー、投資家からのフィードバックを有効に取り入れられており、サービスはどんどん良くなっている」。
デジタルプラットフォームを活用し、かつては業界を席巻したUberEatsのようなフードテック企業も、今では苦戦している。
これは、2020年にメキシコ政府がオンラインで取引される商品やサービスに所得税と付加価値税を引き上げることを決定したことにも起因している。
UberEatsが配達料金の30%手数料を引き下げることを拒否したことにより、飲食店経営者は顧客が前払いした料金の66%をかろうじて手に入れることになる。
このモデルは明らかに持続可能ではない。remotekitchenのようなSaas型ソリューションの台頭はペイ・パー・オーダー式ソリューションの衰退を加速させることになるかもしれない。
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翻訳元:Foodtech remotekitchen shows that only a certain kind of digitalization will save restaurants