Contxto- 現在、ラテンアメリカにおける5Gネットワークの整備と展開状況はさほど注目されていない話題である。しかし、ポストコロナのラテンアメリカにおいて5Gの普及は社会全体に大きな変化をもたらすことになるだろう。
「Ericsson」のMobility Report 2020によると、最初に5Gネットワークが整備される地域は、ブラジル、アルゼンチン、チリ、コロンビア、メキシコであると予想されている。
この新技術が重要なのは、5Gネットワークによって、より高速なオンラインアクセスが実現し、私たちもよく話題にあげるような次世代の革新的技術(IoT標準のスマートシティや自動運転車など)をその真価が発揮できるレベルにまで引き上げられるからである。とはいえ、(ラテンアメリカにおいて)最も「おいしい」話は、複数の多国籍通信事業者がその対象範囲のカバレッジ率で競争しているという点かもしれない。
このように、世界中で5G自体は話題に挙がっている一方で、ラテンアメリカにおいてその展開はあまりすぐには行われて来なかった。
何よりもまず第一に、4Gの存在がまだ十分強いのだ。「Ericsson」の報告によれば、2019年には同地域内の49%が4Gネットワークの対象範囲となっている。そして2025年にはこの数字は64%にまで上昇するとされるが、一方で18%は次の帯域である5Gに移行するということも予測されている。
それまでの間、世界中の通信事業者がどのようにラテンアメリカにおける5Gの縄張り争いに参加するか、見ものかもしれない。
まず、ウルグアイでは、2019年4月に「Nokia」と共同でラテンアメリカ初の5G接続実験が行われた。そして、ペルーでは「Huwaei」が同じく実験を行なった。2019年だけでもいくつかのテストドライブが実行されているということだ。同社はまた、チリにおいてもインターネットインフラへの投資に1億ドルもの資金を費やしているという話もある。
関連記事: Protests erupt in Uruguay over national 5G network
メキシコでは「AT&T」が最も人気のある事業者だ。しかし、「Huawei」も負けておらず、2020年度中には現地の電話回線事業者と5Gインフラのテスト構築を行う予定である。一方で、コロンビアのようにコロナウイルスの大流行の影響で、(民間事業者ではなく)政府が5Gネットワークのパイロットテストを行わざるを得なくなっているという例もある。
私は最近ブラジルが抱えている5Gに関する「ジレンマ」はある意味で魅力的なケースであると考えている。ブラジルの現政権は、中国の「Huawei」、スウェーデンの「Elicsson」、フィンランドの「Nokia」という3社とその支持ユーザーの間で板挟みになっているのだ。これらの企業に取って、ブラジルがラテンアメリカにおける最大のビジネスチャンスであることは間違いない。とはいえ、このパンデミックによって中国などで発生した医療危機などの社会情勢を考えると、大統領がすぐに結論をだすとも考えにくい。
いずれにせよ、2020年はラテンアメリの5G環境にとっては「可能性の年」であると言えるだろう。
関連記事: Tech and startups from Mexico!
翻訳元: The state of 5G rollout in Latin America