Contxto –金融サービスや資金調達といった「お金の話題」になると、世の中の多くの場面では、男性中心の考え方が依然として主流である。金融商品を提供する際には、女性は二の次になりやすい。しかし、ラテンアメリカ発のスタートアップである「Jefa」は、金融アプリとカードサービスを通じて、同地域の女性に特化した金融サービスを提供する準備を進めている。
同社は現在、コスタリカとグアテマラでサービス展開に向けての準備を行っているが、将来的にはラテンアメリカ全体にサービスを届けることを目指している。「TechCrunch」によると、アプリ自体は数ヶ月以内にリリースされる予定だという。
ラテンアメリカには、銀行口座を所有していない人々が多い。我々は誰でも金融サービスにアクセスできる「ファイナンシャルインクルージョン」の重要性のほか、今後の金融市場の成長性など、あらゆる観点から議論を重ねてきた。しかしこれまで、ラテンアメリカの女性を中核に据えたフィンテックにはまだ出会ったことがなかった。
皮肉なことに、女性は家計の管理者であることが多いにもかかわらず、基本的な金融商品にアクセスする機会が限られている。例えば、ラテンアメリカ開発銀行(CAF)によると、男性の54%が自分名義の銀行口座を所有している一方で、女性は49%にとどまるという。
この格差には、様々な原因がある。第一に、男女の間には所得の格差が発生している。第二に、銀行口座を開設する際に最低残高を要求されることが多いため、貯金がない女性は口座を開設することが難しい。第三に、支店が必ずしも女性ユーザーの行動範囲にない点などが挙げられるだろう。
そこで「Jefa」の創業者兼CEOであるEmma Sánchez Andrade Smith氏は、これらの課題を解決するために、新たにサービスを展開することを決めた。これまで男性中心的だった金融市場を、大きく変えるような挑戦である。
多くのフィンテック関連の商品と同様に、「Jefa」のユーザーは口座を無料で開設し、カードを取得できる。ほかにも個人間送金を行ったり、貯金を管理するための目標を設定したりすることもできる。基本的なサービスは、他のスタートアップと比べてみても、標準的なものと言えるだろう。
しかしそれ以外にも、ターゲットとなる女性ユーザーとのつながりを維持する様々な施策を打ち出している。
例えば、衛生用品を購入したり、婦人科医の診察のような女性に関連したサービスを受けたりした場合は、ポイントが溜まるようなプログラムを計画している。
また「Jefa」は完全にオンラインで口座の管理を行っているため、女性ユーザーは銀行の支店に行くために、交通費などのお金を使う必要がない。さらに、「Jefa」の口座を持っていれば、最低残高を維持する必要もない。
このように日常生活において女性が使いやすいサービス設計にこだわることで、「Jefa」は女性の金融リテラシーの向上なども目指している。
翻訳元:https://contxto.com/en/central-america/jefa-challenger-bank-finances-women/