Aug 21, 2020
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農業でECを活用するために必要な5つのルール

後継者の不足や非効率な流通プロセスなど、農業は様々な課題を抱えている。その打開策の一つとなり得るのが、EC(電子商取引)の導入である。農業分野でECを活用するメリットやアジア発スタートアップの事例をふまえて、今後の可能性を探る。
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多くの農業の現場では、効率が悪く複雑なサプライチェーンが未だに採用されている。農作物が最終的な消費者に届けられるまでには、一般的に複数の卸売業者が介在している。

ぞれぞれの卸売業者は中間マージンを取るため、実際に農家が得られる利益は非常に少ない。そのため、農家が消費者に直接作物を販売できるECは、非常に有効な手ツールと言えるだろう。

1.農業サプライチェーンのデジタル化

デジタル化されたサプライチェーンのプラットフォームは、作業の効率化を促し、農家と消費者の双方に利益をもたらす可能性がある。ECの活用は、農家が小売店やレストラン、消費者といった新しいクライアントへアプローチできる機会も増やせる。消費者側のメリットとしては、より新鮮で栄養価の高い農産物を購入できる点が挙げられるだろう。

先進国を事例にした様々な研究によると、農家と消費者が直接つながる市場においては、農家が食品1ドルあたりにつき、利益としてその40~75%を得られるという。通常のサプライチェーンにおけるプロセスでは、農家が受け取れる利益は15.6%である。GDPに占める農業の割合が二桁台にのぼる発展途上国では、ECは農家に大きな利益をもたらすことが期待されている。

2019年末からの新型コロナウイルス感染症のパンデミックをうけ、オンラインビジネスを始める農家も増えつつある。

活動制限令 (MCO:Movement Control Order)が施行されたマレーシアでは、ECプラットフォームの「Lazada」が、同国北部のカメルーンハイランドという高原で農業を営む農家と消費者を直接結びつけ、新たなビジネスを生み出した。同社は物流の問題から農産物を廃棄しようとしていた農家のオンライン化を支援したのである。

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農業分野でのECの時代が、まさに今到来しようとしている。しかし、特に東南アジアではまだまだ発展の余地があり、黎明期と言えるだろう。オンラインプラットフォームの導入に向けて農家をしっかりと巻き込むためには、留意すべきポイントがある。

2.農業分野でECを導入するための黄金ルール

その一:農家と関係を構築する

最初のステップとしては、サービスを提供する農家の基盤をしっかりと構築することである。従来の方法を踏襲してきた農家にとって、新しい技術を導入する際には多少なりともハードルがある。企業はターゲットとなる農家と関係を構築するために、ある程度の時間を割く必要がある。

有効な方法としては、農村地域で小さなコミュニティを形成することである。ビジネスモデルとEC導入のメリットを農家に説明できるエージェントを採用したり、農業協同組合や行政と提携したりするのも効果的だろう。

持続可能な農業技術を提供するインド発スタートアップの「eKutir」は、農家と協業するために、ローカルキオスクを設置した。これらのキオスクは訓練を受けた地元の起業家により運営されており、農家と密接にプロジェクトに取り組みながら、農業サービスとして活用できるICTツールを展開している。

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スタートアップは地元の起業家と協業したり、すでに構築された農家のネットワークを活用したりできる。また、実際にECやデジタルサービスを取り入れた農家が口コミで他の農家にその効果を伝えるというのも、効果的な方法と言えるだろう。

その二:農家と買い手の間で信頼関係を築く

最初は需要と供給の両方が不確実ともいえるECサービスを立ち上げる段階では、法的に安全な契約を結ぶことが、信頼を構築する上で極めて重要である。

双方の利益を守るためには、農家と買い手(小売やレストランなど)の間で、最低限保証された内容の契約を結ぶべきである。

ケニアの農業EC事業社である「Tulaa」は、農家が「Tulaa」の代理店と短期契約を結ぶ際、最低限の保証を提供している。また、ECプラットフォームは、農家に一定の収入を保証できるツールにもなり得るだろう。

その三:農家に対して、継続的な教育やトレーニングを実施する

商品の包装や格付け、製品の詳細情報の入力やオンラインプラットフォームの活用など、地元の代理店が農家に対して実施するトレーニングは、継続的な教育と平行して行う必要がある。

コミュニケーションツールの「WhatsApp」や「Facebook」のメッセンジャーグループ、およびチャットボットなどは、アグリビジネスを手がける従業員と農家が会話をするうえで役立つだろう。ほかにも、地元の農場のリーダーが互いに議論したり、アイデアを交換したりしてコミュニティーを率いることができるように、彼らを教育し、訓練することが必要である。

ECの導入を考えている農家の多くは、様々な質問に答えてくれる相手も必要としている。そこで農業ECのスタートアップのなかには、質問に迅速に対応できるプラットフォームを展開している企業もある。そのひとつが、インドネシア発スタートアップの「8villages」である。

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彼らは農業問題を解決するため、農家への教育とコミュニケーションを手がけるアプリケーションの立ち上げから事業をスタートさせた。現在は農家に対して、専門家に質問ができるプラットフォームを提供している。

その四:農家に融資の選択肢を提示する

農家のための融資を確保することは、彼らが自分たちでECを始める際の一助になりえる。すると、高い金利を請求する卸業者への依存度も下げられる。

インドネシア発のスタートアップである「Jai Kisan」は、低コストで迅速な融資オプションを農家に提供するアグリ・フィンテックである。このようなフィンテック企業とEC事業者が提携すると、農家を多方面から支援できるようになる。

同じくインドネシア発のスタートアップである「Tani Group」は、農家のクラウドファンディングのサポートも行っている。

その五:ECプラットフォームに付加価値となるサービスをつける

農家のコミュニティを真に成長させ、ECプラットフォームの導入を加速させるためには、農家と顧客を結びつけるだけでなく、作物の品質を管理する際にも役立つソリューションが必要となる。

ECプラットフォームは、農家が作物を管理するための様々な機能を提供できる。作物の種類に応じて適切な肥料の量や時間をリマインドすることも可能である。また、低価格な機械や農機具を購入するための相談にも対応できる。

具体例を挙げると、インド発スタートアップの「DeHatt」はアプリケーションを通じて画期的な機能を提供している。 最近ではそれぞれのユーザーごとにカスタマイズしたアドバイスを、自動で現地の言語で提供できるサービスを展開している。

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2020年は新型コロナの影響をうけ、サプライチェーンが大きく混乱している。そのため、農業分野のスタートアップが事業をピボットするには良い時期とも言えるだろう。しかし、新たに参入を考えている大企業との厳しい競争も覚悟しなくてはいけない。

スタートアップは農家と消費者の間でしっかりとしたネットワークを構築し、農家を巻き込んだサービスを確立することが、利益の獲得につながるだろう。

翻訳元:https://e27.co/how-to-build-a-strong-farmer-engagement-model-for-your-agri-e-commerce-startup-20200807/

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