昨今、米国を筆頭とした主要先進国がフィンテック領域のイノベーションで世界市場をリードしている。
また、中国にも巨大な国内市場があると言われている。中国もいまやフィンテック産業に関しては文句なしのリーダーとしての地位を確立している。
一方、韓国は、LGやサムスンなどの巨大企業がハイテク産業を下支えしているものの、韓国国外では、韓国フィンテック産業の知名度は高くない。
確かにNaverに関する情報はたくさんあるものの、韓国以外でNaverを利用している人は稀であり、Naverが何であるかさえも一般人は知らないことが多い。
こうした背景から、韓国には多くの優れたフィンテックスタートアップ企業が存在し、大手テック企業とともに革新的なサービスを提供していることに驚きを隠せない人もいるだろう。
韓国を訪れたことがある人ならば、ほとんどの決済がカードやスマホで行われていることに気づくだろう。韓国はすでにキャッシュレス社会に突入していると言って良いだろう。
これは、デジタル決済の分野が韓国の中で大きなブームになっているからである。
ブームの主な原因は、Tossと呼ばれる革新的なフィンテックのスタートアップにある。
また、Kakao、Naver、Samsungなどの大企業がKakao Pay、Naver Pay、Samsung Payなどの独自の決済サービスを提供している。
今やモバイル決済や送金は以前よりも簡単になった。
また、韓国はクラウドファンディング、P2Pレンディング、投資、さらにはクリプトカレンシー取引のためのプラットフォームを開発している。
これらのプラットフォームを作成したスタートアップの中には、人々が適切な銀行商品を見つけることができるFindaが含まれている。
もう一つは、自営業者向けのP2PローンプラットフォームであるFundaである。
また、韓国ではこれらのスタートアップの多くが共同事業、ベンチャー、マーケティングプロジェクトに参加している。
近年、金融コングロマリット、フィンテック企業、銀行、フィンテックスタートアップ企業が戦略的提携を実施する傾向が強まっている。
提携の多くは、それぞれが異なる専門知識を持っているため、すべての関係者にとって有益なものとなっている。
金融コングロマリットや企業はノウハウとリソース、銀行はインフラ、スタートアップ企業はイノベーションをもたらす。
Dunamu-Samsung証券、Honest Fund-Shinhan銀行、Kakao銀行-KB銀行など、多くの企業間でパートナーシップが結ばれていることが分かる。
世界の主要プレイヤーも、戦略的パートナーシップの構築に向けて韓国に目をつけている。
企業向けブロックチェーンソリューションの世界的リーダーであるRippleは、国境を越えた決済サービスの中にSentbe、Hanpass、WireBarleyをRippleNetに追加した。
Ripple社は、韓国からアジアの近隣諸国への送金がここ数年で増加傾向にあることを見逃さなかった訳だ。
まずは銀行部門から見てみよう。韓国の銀行は、ほとんどの国よりもユーザーフレンドリーである。ほとんどの銀行取引はスマートフォンを介して行うことができる。
さらに、韓国の銀行は、顧客データだけでなく、金融データの安全性を確保するために、ブロックチェーン技術に注目している。韓国の銀行は、韓国フィンテックとの提携に固執している。彼らは業界から取り残されたくないのである。
デジタルトランスフォーメーションがすでに起きているのは明らかである。
しかし、Shinhan、Hana、Wooriのような多くの韓国の銀行にとって、これらのパートナーシップは、次世代サービスの創出に関して何の飛躍も生んでいない。韓国の銀行がすべきことは、フィンテックへの投資を加速させることである。韓国の銀行は、安全で低コスト、COVID-19に対応した非接触型の金融ツールを提供することに注力する必要があるだろう。
韓国はすでに世界で最もスマートフォンの普及率が高い国の一つである。
また、世界でも最速のインターネット接続を持っている。
そのため、韓国だけでなく世界中の多くのフィンテックスタートアップ企業が、韓国での実証を損でいる。
韓国政府はすでに複数の金融規制のサンドボックスを設けており、スタートアップ企業が自由に製品やサービスを試すことができるようにしている。
韓国が独自のデジタル通貨を持つのは時間の問題だろう。
最初はバウチャーとしてスタートするだろうが、すぐに国家通貨になる可能性もあるだろう。
翻訳元:How South Korea's Fintech Industry is Gaining Global Respect