Contxto - 今の時代、学習は決してオフラインだけのものではない。むしろその壁を乗り越えた先に最高の環境が待っていることもあるだろう。近年、ラテンアメリカでは、意欲的な学習者の間でオンライン教育に携わるスタートアップの存在感が増している。さらに、コロナの影響でリモート授業の重要性が高まる中で、教育を行う側の者に向けても様々なツールなどが提供され始めている。
コロンビアのEdtechスタートアップ「Griky」は新時代の教育プラットフォームで市場に参戦している。
同社の特徴はなんと言ってもその集客方法である。「Griky」はなんと自社の教育コンテンツを無料で公開することにしたのだ。
COVID-19の大流行が世界に何かを教えてくれたとすれば、それは間違いなく、我々がこのようなパンデミックに対してなんの準備もしていなかったということであろう。
突然デジタルアプリがあらゆる基本的な仕事において必要不可欠な存在になったとき、そのシフトに際してはどの業界も無傷ではいられなかった。もちろん教育も例外ではないだろう。パンデミックによって、学校はその機能を一時的に失ってしまったと言える。
「Griky」が提供するクラスルームシステムは、大学やその他の学習期間に向けたもので、教師がクラスを登録し、生徒のグループを作り、学習のタスクを管理できるような機能が備わっている。また、生徒ごとの進捗状況や成績の把握も可能だ。
一方で、生徒側は自分の好みなどに合わせてキュレーションされたコースを自由に選択して受講することができる。
YoutubeやSpotifyのアルゴリズムがユーザーのお気に入りコンテンツをほぼ完全に予測できているように、「Griky」のサービスも同程度の精度でサービスを提供している。
そして、これまで存在してきた、酷いデザインに使い勝手の悪いUIのオンライン教育サービスとは異なり、「Griky」はよりクリーンでシンプルなデザインでユーザーフレンドリーな設計を行っている。
これらの機能のおかげで、同社はすでにラテンアメリカの6大学と取引を始めている。
しかし、このことは「Griky」が始めた取り組みのほんの一部であると言えるだろう。
「Griky」はプログラミングやグラフィックデザイン、ペットケアなど、あらゆる分野において、個人学習者向けのコースも提供している。
そして、今回のミソとなる話だが、このコロンビア発のEdtech企業は、自社の1000以上のコースを無料で公開することにしたのである。この戦略は単なる慈善事業などではなく、100万人以上のユーザーにリーチしたいと考える同社の方針によるものである。コースによっては修了証明を発行するために課金が必要な場合もあるが、コンテンツ自体は基本的に無料で公開されている。
戦略的な観点で言えば、これは最終的に有料の顧客となり得る新規学習者の取り込みが目的であると言えよう。
CrehanaやPlatziのような他のEdtechも、パンデミックをきっかけとして集客のためのフリークーポンや割引の施策を行っている。
教育に値段は付けられない。最もな言葉である。それほど教育とは尊く価値が高く、まさにプライスレスとしか言いようがない。しかし、それはもちろんだが、利用する側にとってみれば、無料であるにこしたことはないだろうか。
「Griky」の挑戦に今、注目が集まっている。
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翻訳元:https://www.contxto.com/en/colombia/griky-learning-platform-problems-education/