Contxto - 米国の黒人男性暴行死事件に端を発した「反黒人差別運動(Black Lives Matter運動)」は南米全土でも展開されている。中でも人口のほぼ57%が褐色人種で占めるブラジルでは、想像以上の広がりを見せており、各地で人種差別撲滅を訴えるデモが展開されている。
この動向に各企業も対応し始めている。例えば、Googleはブラジルで「Black Founders Fund」を立ち上げ、人種差別撲滅運動への貢献の姿勢を示している。
同ファンドには500万レアル(約945,000米ドル)が用意されている。ブラジルで事業を展開する黒人創業者が指揮を執るアーリーステージのテック系スタートアップに分配する予定である。本プログラムでは、シード投資を希望する約30社に資金を提供する予定である。
同ファンドを通じて、起業家のビジネスを成長させ、より多様かつ収益性の高い持続可能なエコシステムを構築することを目的としている。
ブラジル全土でデモや啓発キャンペーンが展開される中、起業家コミュニティにおいても人種差別撲滅と黒人創業者創出の促進の重要性が説かれている。
Locomotiva Instituteの調査によると、ブラジル黒人人口の57%が、黒人による企業が偏見や差別などにより不利になると感じている。
黒人創業家は、融資や資金調達の機会が限られているなど、多くの障壁が起業の可能性を阻害している。
GoogleはBlack Founders Fundを通して資金提供する投資先企業の株主にはならないことを表明している。
「事業推進をサポートするが、正式なパートナーにはならない。また、投資に対する金銭的なリターンを得る予定もない」と同社は言う。
Googleは南米においては、既ににラストワンマイル配送スタートアップ TrazFavela、人事ソリューションプロバイダーのCREATORS、EコマースプラットフォームのAfropolitanなどに投資している。
Black Founders Fundは2020年9月時点で応募を受け付けており、今後18ヶ月以内に投資先企業を選定する予定である。
翻訳元:Google to disperse US$945K for Black Founders Fund in Brazil