Sep 29, 2020
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約300億円の巨大市場:ベトナムのフードデリバリー事情とは?

ベトナムではフードデリバリーを手がける多くの企業が課題に直面している。サービスのローカライズや投資の必要性など、ベトナムにおけるフードデリバリー市場の将来像を探る。
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ベトナムのフードデリバリー市場は現在、「Now Delivery」と「GrabFood」の2つの企業によって独占されている。しかし過去には「Foodpanda」が同様のアプリを展開し、市場で強い優位性を確立していた。しかし突然資金不足に陥り、失敗してしまった。

その「Foodpanda」が2020年、再びベトナム市場に参入しようとしている。ベトナムではフードデリバリーに関連する様々なルールがすでに決まりつつあるため、決して一筋罠ではいかないだろう。

「Foodpanda」は当初、ドイツ企業「Delivery Hero」が運営するオンラインの料理注文システムを展開していた。「Foodpanda」がベトナムに最初に進出したのは2012年のことで、その後サービスは国内5大都市にまで順調に拡大した。

しかし2017年に突然、同社はすべての活動を停止してベトナムから撤退した。撤退の理由としては、当時すでに利益を上げていた市場に注力するためだったと言われている。ベトナムは膨大な人口と莫大な購買力を抱えているため、著しく潜在的な市場でもある。しかしサービスを拡大するうえでは、「Foodpanda」にとって手が届かないほどの多額の投資が必要だったという。

関連記事:Setting new rules for the food delivery industry in a post-pandemic world

「Delivery Hero」はベトナムでの事業を3年ほど休止した後、韓国の宅配サービス大手である「Baemin」を買収し、アジア市場に再度参入することを決めた。2019年にはベトナムで再び事業活動を開始している。だが「Foodpanda」や「Baemin」は現在も、様々な課題を抱えている。その理由は一体何なのだろうか?

1.ベトナムのフードデリバリー市場における熾烈な競争

ベトナムのフードデリバリー市場は、2020年末には約3億ドルの市場価値があると予想されている。同市場には950万人以上のユーザーがおり、「GrabFood」や「Now」、「GoFood」や「Loship」、そして「Baemin」の5つの主要プレイヤーがサービスの拡大を目指している。

多くの専門家は、プロモーションと革新的なメニューこそが、市場での勝者を決定する重要な競争優位性になる傾向があると分析している。「Now」は料理の注文プラットフォームの魅力を最大限に活用し、急速に顧客を獲得している。

「GrabFood」は地元のレストランと連携し、「ユニークフード」と呼ばれる戦略を推進して、限定の料理を提供している。同社は様々な荷主と食品提供者と連携しており、配送の優位性においては、「Now」の地位を脅かす存在でもある。

一方で「Baemin」は、新規の顧客を対象に初回注文時の70%オフプロモーションを導入している。また、配送主のコミュニティの拡大を目的に、彼らにとって魅力的な報酬体型を構築している。

しかしどのプレーヤーも巨額の投資を続ける一方で、顧客から発生する課題に対処しきれていない点を明らかにしている。

2.電子決済サービスの不整備が課題に

まずは「Baemin」の創業ストーリーから話を始めよう。同社は1950年に、韓国でフライドチキンをデリバリーするために事業を開始した。韓国では今から70年以上も前から、人々が配達サービスを通じてレストランの料理を楽しんでいた。

同国のほとんどの食品店はオンライン注文に対応しており、少なくとも1つは配送サービスを導入している。韓国人の約70%が、すでにフードデリバリーを利用した経験があるという。

その一方でベトナムの消費者は、フードデリバリーサービスを約8年前から利用するようになった。さらに、オンラインでの支払い馴染みがない人々も多い。イーウォレットなどの電子決済の手段は、大都市に住む一部の人々にしか普及していない。

このようにベトナムでは、今もなお現金払い(キャッシュ・オン・デリバリー)が最も一般的な支払い方法である。ベトナム人の多くが現金支払いを選択する習慣が、特に「Baemin」といった宅配アプリの成長を阻害している。

関連記事:Understanding the economics of food delivery platforms

さらにベトナムでは、息抜きとしてレストランでの食事や温かい食事を好む人々が多い。ベトナムではスープ料理が広く好まれており、こうした料理をテイクアウトしてしまうと、味が落ちると考えられている。しかし新型コロナウイルス感染症の拡大をうけ、顧客の行動にも少しづつ変化が現れている。

3.優位性を保つための巨大な投資の必要性

かつて「Foodpanda」がベトナムから撤退せざるを得なくなった主な理由は、資金力の不足だった。今回「Baemin」は「Delivery Hero」のバックアップを受けて再度市場に参入し、新規顧客の獲得に向けて投資を始めている。

新しい調査によると、「Baemin」を利用していると答えた回答者は15%に過ぎないが、「Grab」と「Now」を利用していると答えた回答者は、それぞれ79%と56%であった。「Baemin」は新たなユーザーを獲得するために、今後も投資を続ける必要がある。

ベトナムのユーザーのデリバリーサービスに対するロイヤリティは、アジアやEUといった他の市場の中でも最下位のグループと推定されている。つまり、ベトナムでユーザーを獲得して維持するためには、常に割引やプロモーションを実施する必要があり、大規模な投資も必要となる。

「Baemin」の競合である「Grab」や「Now」もまた、市場でシェアを獲得するために新たな資本を投入している。「Grab」は2024年までに、ベトナムに5億ドル以上を投資すると発表した。一方で「GoFood」は、配達事業に投資を行うため、10億ドルの資金調達を実施した。

韓国ではフードデリバリーの文化が数十年前から生まれていたが、ベトナムではまだ新しい文化として捉えられている側面が強い。そのため「Foodpanda」は、ベトナムでサービスをローカライズすることに非常に苦労している。競合他社の進出に加えて、ベトナム人の購買文化にも着目しなくてはならない。

しかし結局のところ、フードデリバリーのモバイルアプリのコアバリューというのは、技術とサービスにある。リーダーが投資を適切に利用して優れたサービスを提供し、技術革新に追いつくことができれば、「Baemin」はどの市場でも成功を収めることができるだろう。

翻訳元:https://e27.co/food-panda-a-delivery-app-got-struggling-to-come-back-to-vietnam-market-20200916/

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