保険会社向け 地理空間データ・プラットフォーム 「ICEYE Flood Insights」

ICEYE社は2010年代から保険会社と幅広く連携し、洪水や山火事などの気象・気候関連事象のデータを監視・分析している。
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宇宙メーカーで地球モニタリングのスタートアップであるICEYEは、このほど保険会社向けの地理空間データ・プラットフォーム「ICEYE Insights」を発表した。世界最大の合成開口レーダー(SAR)衛星群を保有する同社は、世界中のデータポイントをリアルタイムで収集している。保険会社は、ICEYEの洪水観測データと分析を損害保険情報と統合し、洪水事象の明確なイメージと効果的な保険のかけ方を提示できる。

保険会社は、洪水事象のあらゆる側面に着目し、APIを介してICEYE Insightsに不動産ポートフォリオをアップロードし、洪水がその地域にもたらす可能性のある損害を可視化できる。同社は、ICEYEのFlood Insights製品からのデータを定期的に更新・分析するために、EigenPrism®キャタストロフ・リスクマネジメント・ツールを利用している。

リアルタイムの高解像度洪水データ

「ICEYE Insightsを立ち上げることで、同社の高解像度洪水インサイトデータへのアクセスを可能な限り広範な企業に拡大する。同社の戦略は、保険市場が、それぞれのニーズにもっとも適した形態とチャネルで、同社のテクノロジーとデータを利用できるようにすることだ」。

このプラットフォームの立ち上げは、ICEYEのFlood Insights製品からの自然な進化と言える。インサイトは、洪水モニタリングデータを保険のエコシステムにワンツーステップで統合することを可能にする。このアプローチにより、保険会社は効率的にプラットフォームに加入し、不動産データをアップロードすると、ICEYEの洪水範囲と深さの測定値をほぼ即座にオーバーレイ表示できる。

「地理空間ツールを使用している企業は、現在、Flood Insightsの情報を自社のデータインフラに直接ダウンロードできる。地理空間ツールを使用する企業は、現在、Flood Insightsの情報をデータ基盤に直接ダウンロードできる。地理空間機能を持たない企業は、ICEYE Insightsプラットフォームを通じて、同社の洪水データにアクセスできる。ユーザーは、物件データをプラットフォームにアップロードし、洪水事象がポートフォリオに与える影響を即座に分析できる」。

保険会社にとってのメリット

ICEYEは2010年代から保険会社と幅広く連携し、洪水や山火事などの気象・気候関連事象のデータを監視・分析している。この技術は、保険会社に豊富なデータポイントを提供し、ある事象がいつ、どこで、どの程度、特定の地域に影響を及ぼすかを予測するもので、Descartes UnderwritingやAonといった業界の巨頭を利するものとなっている。

ICEYE Insightsが提供する結果によって、保険会社は仮払いや早期全損決済が可能な地域を特定し、個々の不動産の損害額を見積もることができるようになる。この利点に加え、もっとも被害を受けた顧客と連絡を取り、現場のリソースを割り当てることができるため、大災害や洪水に関連する災害に対処する保険会社にとって、このプラットフォームはプロアクティブなツールになる。

Stephen Lathrope氏は、「保険業界は、洪水発生直後から正確で実用的なハザードデータに迅速にアクセスすることを求めている」と述べている。しかし、現在、洪水データの不足はコストを押し上げ、対応力を低下させ、サービスを低下させ、災害対応やクレーム管理のあらゆる側面で大きな非効率性を生み出している」と述べている。

「我々は、これが保険業界にとって真に変革的な能力であり、保険業界が顧客のニーズに対応する能力を大幅に向上させ、洪水がもたらすこの増大する脅威への対応と管理を改善する可能性を秘めていると確信している」。


翻訳元:https://ffnews.com/newsarticle/exclusive-iceye-launches-geospatial-analysis-platform-iceye-flood-insights/

表題画像:Photo by USGS on Unsplash (改変して使用)

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執筆者
SUNRYSE / SUNRYSE
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