COVID-19のパンデミックが拡大する中、新しいライフスタイルやユーザー行動が出現した。顧客の期待は次のレベルに達し、これらの変化は、顧客のエンゲージメントや体験といった分野においても、新しい機会を与え、一方で課題を浮き彫りにした。
「Tokopedia」のカスタマーエクセレンス部門VPであるRudy Dalimunthe氏によるウェビナーで、同氏はテクノロジー企業「Tokopedia」が、このパンデミック下でどのように顧客のエンゲージメントと体験を適応させ、さらには再定義したのかについて、参加者に共有した。
また、同社がいかに新しいカスタマーエンゲージメント戦略を成功させ、それらの戦略をスムーズに実行したのか、さらにはフルリモートでカスタマーサービス業務を展開させたその手法についても語られた。
COVID-19の発生前後では顧客の期待値は異なる。今後は以前より親身になって対応すべきである。
これまではオフラインという選択肢があり余裕があったが、今では購入者達にパッケージが届かないといった事態が起こると彼らはパニックになりかねない。
パンデミックの拡大以降、「Tokopedia」では生活必需品やスポーツ用品の売り上げが高く伸びている。サポートチャンネルのトラフィックは約40%も上昇したのだ。
我々のカスタマーサポートは、プロダクト、物流、ペイメントなどのカテゴリに分かれている。そして、それぞれの問い合わせ元を管理するためのチャネルを持っている。
CXチーム(CX=カスタマー・エクスペリエンス)はより質の高いサービスを提供するために、お客様のアンバサダーのような存在になり、プロダクトチームや技術チームと適切に連携すべきである。
「Tokopedia」では、ソーシャルメディアをチャネル化して、顧客がQ&Aを通して質問を行う手助けを行なっている。
ミレニアム世代はクレームの投稿にはブランドタグをつけないが、それらが解決した時には必ずタグをつけて返信するものである。ツイートがポジティブなバイラルになると特に彼らのモチベーションは向上する。
ボットを使用する際は、ただFAQなどと同じ質問に答えるだけではいけないということを認識すべきである。AIを活用するなどして、個別の質問にも適切に答えられるようにするべきだ。
CXはサービスの域を超え、顧客の感情に反応するものである。自社の顧客を驚かせるためには、よりたくさんんの方法とリレーションシップ・マーケティングを追求する必要がある。
CXの文脈において、「no」の一言だけでなく、何が顧客にとって必要ないのかそしてそれはなぜか、という説明を付け加えるべきだ。
「お客様は神様」という考えは過剰な面もある。どの顧客をフォローすべきかは見極めるべきであり、全ての顧客が必ずしも「お客様」であるとは限らないからだ。場合によっては、競合他社による策略ということもあり得るだろう。いずれにせよ顧客に対してはその状況に応じて機転を利かせて対応してゆく必要があると言える。
連結的なマーケティング(a consolidated marketing)とCXデータのレポートは、商品開発において必要な要素である。プロダクト開発の現場における現実がそれを示している。
小規模チームのためのCX:手動で行うよりも、CRMシステムを利用することから始めるべきである。チケット管理や記録管理に土えは、テクノロジーを妥協せず最善を尽くすべし。
クレームに対する価値をいかに調整すべきかについて:ソーシャルメディアにおけるポジティブな反応の数はCXを評価する上でのとても良い指標になるだろう。
そのチャットボットに本当に価値はあるのか?
CX担当者はいかにして取締役会におけるポストを確保し、CEOからの予算を獲得できるか?
インドネシアやSEAにおいてCXの専門家と交流し、最善策をシェアできるようなコミュニティは存在しているだろうか?
以下、ワークショップの動画を紹介する。
翻訳元:Customer is not always the king, says Tokopedia's customer engagement expert