近年、あらゆる業界でタッチレスで没入感のある体験を求める消費者のニーズが強くなってきている。
このような状況からデジタル技術はカスタマーエクスペリエンス戦略に必須な要素となりつつあると言える。
例えば、多くの保険会社のシステムでは、顧客が新しい自動車保険を選択する際には、モバイルアプリを数回クリックするだけで決済画面に進むことが出来る。
一方で、保険金請求の際はどうだろうか?
顧客は面倒で非効率的なプロセスを経ることになることが一般的である。
このような課題は、Google PlayやApple App Storeのカスタマーレビュー上で数多く指摘されている。
保険会社は、顧客からのフィードバックを意思決定プロセスにインプットし、アプリや商品、機能のどの部分を顧客が最も評価しているのかを理解することが不可欠となる。
一方、それと同時に、顧客がアプリ体験上のどの段階で大きな不満を抱いているのかを探る必要がある。
これは、保険会社が開発するその他のデジタルエクスペリエンスについても同じことが言える。
Mobiquityが行ったアンケート調査では、90%以上の回答者がコロナ収束後も日常生活を便利にするためにデジタル技術を使い続けると答えている。
つまり、デジタルソリューション上で最高の顧客体験を実現させることは保険会社にとって至上命題であると言える。
世の中には、顧客の日常業務をサポートするテクノロジーソリューションは数多く存在する。
経営者やアプリ開発者は、ユーザーが使用する各デバイス上でどのような行動をとるかを考慮し、ユーザー体験を如何に向上させるかを検討する必要がある。
これらのテクノロジーの採用は、得てして自社スタッフの負担軽減にも繋がる。
下記に、デジタルテクノロジーを活用して顧客体験を向上させるためのキーワードをいくつか紹介する。
モバイルアプリを介し、ユーザーとて迅速かつ効率的なコミュニケーションが取れるようにすべきである。アカウントへのアクセス、保険金請求の管理機能、必要に応じて簡単な保険ポートフォリオを表示する機能を提供するなど、ユーザーが場所に捉われず、必要な情報を必要な時に迅速にアクセスできる環境を整えることが重要である。
対話型AI
Amazon AlexaやGoogleアシスタント、ウェブサイトのチャットボットなどの音声機能は、顧客の簡単な質問にスマートな技術で答えることで、スタッフの負担を軽減することができる。
非接触型の支払いの機会は増加傾向にある。非接触型決済の導入はクライアントの支払いの自由度を向上させ、顧客体験価値の向上に繋がる。
保険会社のカスタマーポータルへのトラフィックの50%以上はモバイルデバイスからのものである。それにも関わらず、多数のポータルはスマートフォン向けに最適化されていないことが多く、顧客の離脱に繋がっている。ストレスフリーの顧客体験を提供する上で、モバイル最適化は必須である。
顧客と長期的な関係を築くには、最初のエンゲージメントがスムーズに進むようにすることが重要であり、デジタルオンボーディングは年々重要になりつつある。
「保険」に対する顧客の期待は必ずしも複雑ではない。
顧客が求める機能がどこにあるのかを特定し、自社リソースをどのようなソリューション開発に充てるべきかを検討する必要がある。
非接触型保険
オムニチャネル戦略を強化し、モバイルアプリ、ウェブサイト等のデジタルチャネルで非接触なオプションを提供する
簡単なデジタルオンボーディング
デジタルオンボーディングプロセスをシンプルにすることで、新規顧客が保険アプリに簡単に加入できるような環境を構築する。
セルフサービス
顧客がいつでも質問やクレームを提出可能な環境を構築する。
セキュリティとプライバシー
顧客データの安全を確保するためのセキュリティ戦略を作成し、セキュリティポリシーとその更新を定期的に伝達する。
Mobiquityは、損害保険(P&C)プロバイダー向けに「フリクションレポートツール」を開発した。
フリクションレポートは、製品の機能やサービスに関する(モバイル)アプリユーザーのフィードバックについての洞察を得るための迅速かつシンプルなツールである。
これにより、保険会社は、アプリでのやりとり中にユーザーが経験している「保険金請求ができない」、「ログインページが読み込まない」、「ユーザーが自分の保険契約書類にアクセスできない」など、最も顕著な「ペイン」が何かを理解することができる。
翻訳元:Creating an Omnichannel Digital Experience for Insurance Companies