2020年6月12日、シンガポールで食品アクセラレータープログラムを運営するグローバルVCファンドBig Idea Ventures(BIV)は、同社が運営する「New Protein Fund」に対してスイスの産業機器メーカーBühler Groupが出資を決定したことを発表した。
同ファンドは、アクセラレーションプログラムを通じて世界で最大100社の培養肉・代替肉スタートアップへの出資および経営支援を計画している。
なお、同ファンドにはシンガポール政府系投資会社Temasekも出資している。
BIVの創設者であるAndrew D. Ive氏は、「北米やアジアのみならず、最終的には世界中の培養肉・代替肉のリーディングカンパニーの成長をサポートしていきたい。BühlerとBIVは、環境保護と美味しい食品を求める消費者ニーズに応える素晴らしい企業を作るために協力してく。」と述べている。
代替肉市場は、Impossible FoodsやBeyond Meatのような革新企業の成功を受けて、近年認知度が高まってきている。
同市場に対するベンチャーキャピタルの関心は年々高まっており、2025年までに143億2000万ドルの市場規模に成長すると予想されている。
COVID-19の大流行以降、消費者による健康面・環境面に対する意識が高まっており、図らずも動物性タンパク質から植物性タンパク質への大幅な切り替えが進展していることも同市場への期待感の向上に寄与している。
BühlerのIan Roberts CTOは、持続可能かつインパクトのあるソリューションを提供するためには、同業界のスタートアップとの協業が急務であるとし「今後10年の間に環境保護・食料供給分野で大きなインパクトを残すにはワイドスケールなコラボレーションが必要」と述べている。
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「大学や研究機関、スタートアップ、大企業が一丸となってイノベーションを起こし、より持続可能な食料供給の方法を見出す必要がある。BIVとの連携を決めた理由は、有望なスタートアップの発掘・育成を通じて、シンガポールや米国でのパートナーシップとスタートアップのエコシステムを強化し、持続可能な食糧供給に貢献するためである。」と加えた。
Bühlerはシンガポールに持続可能タンパク製品の新製品開発やスケールアップを一貫してサポートできるジョイントイノベーション施設を設置した。
また、BIVはスタートアップ創業者へのメンタリングプログラムで得た収益をCOVID-19の影響を受けた方々向けに約5万食分提供する形で還元したコミュニティ主導のチャリティー募金キャンペーンに参加したことを発表した。
また、BIVはコミュニティ主導のチャリティー募金キャンペーンへの参加を通じて、スタートアップ創業者へのメンタリングプログラムで得た収益をCOVID-19の影響を受けた方々向けに約5万食分提供する形で還元したしたことを発表した。