世界トップレベルのシェフによる、ディレクションに妥協しない料理動画

Steve Avery氏は、世界最高のシェフを何千もの家庭のキッチンに連れてきている。

同氏の使命は、素晴らしいかもしれないレシピや、ひどいかもしれないレシピをインターネットで探し続けることにうんざりした人々のために、彼らの秘密を普通の料理愛好家と共有することである。

YesChefはオンライン教育プラットフォームで、2023年5月現在、7人のシェフが料理の知恵を披露している。

2024年には、国際的に有名なシェフ12人を追加する予定だ。購読者は年会費を払い、すべてのシェフのすべてのレッスンに無制限にアクセスすることができる。

スタジオにいるテレビの料理人の定型的なアプローチをはるかに超えている。YesChefは、各シェフと数ヶ月かけて、彼らの料理のスタイルに合ったオーダーメイドのフォーマットを作る。

そして、35人のスタッフを世界のどこにでも派遣し、8日間にわたって撮影を行い、彼らの専門知識を6時間以上のビデオに凝縮する。

その結果、美しく制作され、非常に有益で、心配になるほど病みつきになるのだ。

「私たちはドキュメンタリーのような語り口で臨む。そうすることで、彼らは本当に自然体でいられるし、私たちは最高のクオリティの作品を制作し、エンドユーザーに最高の体験をしてもらうことができるのだ」とAvery氏は言う。

「カメラの後ろでは、彼らのテクニックやスキル、メソッドの秘密を話してもらうために、本当にたくさんの質問をする」

最初のシェフを採用するのは大きな挑戦だった、とSteve氏は言う。同氏はスタートアップの世界には詳しいが、テレビでも料理でもプロとしての経験はなかった。

「彼らは素晴らしいシェフで、彼らの時間はとても貴重で、私たちはイスラエルの小さなスタートアップに過ぎない」と同氏はNoCamelsに語る。「私は、制作やシェフとしての正式な経験はない。しかし、今日の食の世界を築き上げた最も重要なシェフたちを集め、ひとつ屋根の下に集結させるという、史上初のナレッジベースを作るというビジョンに基づき、なんとか一握りの人々を説得することができた」。

今や立場は逆転したと同氏は言う。「シェフたちは今、私たちのところに来ている。当初、私はアイデアを売り、夢を売り込んでいた。しかし今、シェフたちは実際に私たちのウェブサイトを訪れ、私たちの才能を見て、コンテンツを見て、その一員になりたがっているのだ」

これまでに紹介されたのは、アルゼンチンの有名シェフ、作家、レストラン経営者のFrancis Mallmann氏、アメリカのシェフ、パン職人、作家のNancy Silverton氏、イスラエルのシェフ、パン職人、教育者のErez Komarovsky氏、イタリアの肉屋Dario Cecchini氏、ブルックリン生まれの有名シェフ、作家、レストラン経営者のEdward Lee氏などである。

YesChefは、料理をする人、もっと上手に料理をしたいと思っている人を対象としている。

「これは受動的な体験ではない」とAvery氏は述べる。「実際に見て、キッチンに行って、料理をして、戻って来て、また見る。洗って、また見て、というのを繰り返す。本当に内容が盛りだくさんなので、1クラスを終えるのに数ヶ月かかることもある」

「私たちがプロデュースする授業は毎回約6時間半の内容で、その中には50分のドキュメンタリー映画も含まれている。これは私たち自身で制作したもので、シェフと一緒に旅に出るような内容になっている」

「その後、厨房でレシピやテクニック、技術を学ぶレッスンが20回ほど行われる。レッスンが終わると、そのシェフのような料理の作り方や、家族や友人のために料理を再現する方法を学ぶことができる」

「しかし、その料理の背景にある物語や文化、歴史に触れることで、さらに力を得ることができる。レシピだけではないのだ」

キッチンの素人だったAvery氏は、インターネットの情報には幻滅していた。

「レシピは、人々がオンラインで共有する最初のものの一つで、90年代初頭にさかのぼる。誰でも自分のおばあちゃんのアップルパイのレシピをアップロードすることができ、（インターネットは）すぐに低品質のコンテンツで溢れるようになった」

「今日、平均的な家庭料理人にどうやってレシピを見つけるか尋ねてみると、彼らは10個の異なるサイトに行き、10個の異なるYouTubeビデオを見て、結局は『フランケンシュタイン』のように自分独自のレシピを組み立てたと言うだろう」と同氏は述べる。

「家庭だけでなく、音楽、瞑想、スピニングバイクなど、人生にとって本当に大切なことをすべて集めた専用のプレミアムなサブスクリプションサイトがあるのに、料理はいつの間にか忘れ去られているのは皮肉なことだ」

同氏は、Tony Hawk氏からスケートボードを、Christina Aguilera氏から歌を、Martin Scorsese氏から映画作りを、Annie Leibovitz氏から写真を学ぶことができるオンライン学習プラットフォーム、Masterclassにインスパイアされた。

「Masterclassが登場したとき、私はGordon Ramsay氏の料理教室に参加し、最高の料理の一つを学ぶ素晴らしい機会だと思った」

「Masterclassを非難したいわけではない。それは素晴らしいことを成し遂げたと思うが、食べ物や料理には適していないと考えている。なぜなら、それは学術的なアプローチではないからだ」

「YesChefのアプローチは、オンラインビデオ授業とドキュメンタリー・ストーリーテリングを融合させている。私たちが行っているのは、Chef’s Tableのドキュメンタリー・ストーリーテリングのアプローチなのだ」

同氏は、どのクラスもユニークだという。「コンテンツを制作するためのフォーマットはない。私たちには、各クラスが独立した体験として本当に自己完結型であることを可能にするインフラストラクチャと方法論があるのだ」

「Masterclassのような、型にはまったフォーマットのプラットフォームの問題の一つは、本当にすぐに飽きてしまうということだ」

「YesChefでは、Asma Khan氏と一緒にインドのカルカッタを訪れ、音楽、感覚、料理、雰囲気を楽しむことができる。インドにいるような気分が味わえ、その世界に没頭できるのだ」

「そして翌週には、Kwame Onwuachi氏とジャマイカに行き、カリブ海にいるような感覚が味わえる。それは全く異なる体験だ。そして、私たちがプロデュースするすべての新しいクラスで、そのようなことを行っている」

「世界中にレシピサイトはたくさんある。YesChefは、家庭で素晴らしい料理人になる方法を教えるものであり、それを世界規模で行うものなのだ」

「世界中のほとんどの人は、シェフに会うことも、レストランに行くことさえできない。私たちは、シェフや彼らの生涯の知識と経験にアクセスし、彼らの料理を家庭で再現する方法を実際に教えることができるのだ」

いくつかのレッスンを見ているが、今のところ、ラードを使ってエンパナーダを作らなければならないこと（申し訳ないが、私はコーシャ教徒でベジタリアンだ）、フムス用のひよこ豆を砕くには（フードプロセッサーではなく）乳棒と乳鉢を使わなければならないこと、などを学んだ。

私は少しずつではあるが上達しているし、年配の購読者は飛躍的に進歩していると確信している。では、Avery氏自身はどうだろうか？「YesChefを始める前は、ほんの一握りの料理、あるいはレシピがあり、そのようなものに頼っていた」と言う。

食の世界にどっぷり浸かった今、同氏は控えめにも「驚異的」と自己評価している。

翻訳元：https://nocamels.com/2023/05/bringing-the-worlds-greatest-chefs-into-your-kitchen/

表題画像：Photo by Louis Hansel on Unsplash (改変して使用)

SUNRYSE公開日：2023年11月29日