Jul 31, 2020
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Beyond COVID-19: ディープテックスタートアップにとっての新しい時代の幕開け

アフターコロナの世界も見据え、ディープテックスタートアップは現在も今後も、どのように行動すればよいのだろうか。シンガポールを拠点として活躍する企業を例に、今後スタートアップが果たすべき役割とその行動指針についてのインサイトをお送りする。
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コロナウイルスは世界中のスタートアップに大打撃を与え、前例のないほどの解雇や資金調達の急減をもたらした。世界的なロックダウンは産業全体を混乱に陥れ、消費者の行動は大きく変化したが、このような変化は今後も続いていくだろうとされている。

シンガポールのスタートアップはこの危機に対しても強く反応している。例えばいくつかの医療分野におけるテックスタートアップは、COVID-19との世界的な戦いのためのソリューションを構築しスケールさせている

アジアにおけるディープテックの中心地であるシンガポール。今回は、同地を拠点とするディープテックスタートアップの6人の創業者達が、今この危機に対してどのように対応し、さらにはアフターコロナの世界で成功を収めるために何ができるのかということを共有する。

究極のテスト環境

企業や産業自体のディジタライゼーションに焦点を当てているB2Bスタートアップにとって、このコロナ危機は、複雑なリアルタイムシナリオにおけるソリューションの有効性を検証することのできる「究極のテスト環境」とも言えるだろう。

現状、世界中の企業がビジネスにおける混乱を最小限に抑え、そして回復させ、市場における主導権の強化を実現できるようなソリューションを欲しているということは、スタートアップにとってはまたとないチャンスかもしれない。

関連記事: Life after COVID-19: How and why smart cities need to focus on sustainability (日本語版はこちら)

政府が労働者に対してできる限りの在宅勤務を推奨する中、Industry4.0(第四次産業革命フェーズ)のスタートアップである「dDriven」の創設者兼CEOのPartha Ray氏は、「Fortune500」の製造業各社をカスタマーにして、リモートモニタリングとコントロールのためのシステム構築支援に奔走している。それらの企業は潜在的なサプライチェーンのリスクを軽減するために、生きた「ディジタルツイン」を使っている。彼はこのことに対して「私たちは、この危機によって大きなダメージを受けた業界に対して、安価に的確なソリューションを提供することが自分達の役割だと考えています」と述べている。

同じように、企業のリモートワークへのシフトやCOVID-19による急速な規制の発生に対して、RegTech企業である「RADICALi」は、コンプライアンスの専門家向けにバーチャルワークフローとコラボレーションツールの有効性を実証するための「エクストリームシナリオ」を提供している。同社のCEO兼創業者のHardesh Singh氏は「よりスマートなコンプライアンスソリューションを採用することは、企業が各種の規制を簡単に把握して対応し、このような状況下で真に必要とされているビジネスの確実性を高めることを可能にするのです。」

新しい分野へのピボット

業界の混乱は、スタートアップが事業戦略を見直すきっかけとなっており、生き残りをかけた迅速な対応が求められている。特に、グロース途上の分野へのピボットを行うスタートアップにとって、新しい分野への参入と事業の多角化は、大きなリターンをもたらす可能性があると言えるだろう。

ホスピタリティ業界はCOVID-19の影響で大きなダメージを受けており、もはや人間ではない従業員、つまりロボットなどでさえその存在は安泰ではない。「Cognicept」のCEOであるMichael Sayre氏は「サービス業やホスピタリティ業で活用されてきたロボットが、人間の従業員の雇用維持のために配置転換をされるケースがでてきています。」と述べているのだ。

さらに、これらの、ロボットを遠隔操作しシステム化する製品は、新たな分野での機会を得ようとしている。「検疫区域におけるUV消毒ロボット、清掃ロボット、配送ロボットのサポートについて多くの問い合わせを受けているのです。」と同氏は付け加える。このスタートアップは現在、同分野におけるいくつかの国際企業をさあポートするためのソリューションをサービスとして展開しているとのことだ。

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スポットライトを浴びる遠隔医療システム

専門家の予測によれば、ヘルスケアの抜本的な改革が、これまで遠隔医療の普及を妨げてきた各種の規制や心理的な壁を取り崩すことになるだろうという。物理的なリソースの逼迫と、病院が発する必要以上の患者への接近への警告を受けて、医療業界は遠隔診断とそのケアのソリューションの構築を強く求めている。

「TeleMedC」のCEOであるPara Segaram氏にとっても、この危機はヘルスケア問題の解決には遠隔医療が必要だという信念を強めるきっかけになっているという。AIを搭載した診断システムで目の病気の仮想的なマネジメントと「point-of-care」スクリーニングシステムを提供する同社では、ディジタルな予防医療に対する人々の考えを変えられるようなチャンスを掴んだと言えるだろう。

結果的に、同社はシンガポール、オーストラリア、アメリカの臨床医から同社製品導入に向けた問い合わせを受けているという。

他にも、「Biorithm」社にとってコロナウイルスのリスク軽減は重要な関心ごとであるが、それは同社が胎児とその母体の心拍数を継続的にかつ自動で監視できるウェアラブルデバイスを開発しているからである。同社のCEOであるAmrish Nair氏によれば、クリニックにおける患者負担の軽減を求める医者達は、遠隔医療の導入を進めており、近い将来には医療革命の火付け役となるかもしれないということだ。

この点に関して同氏は、「妊婦は常に健康的には弱い立場にあります。そのため、継続的なケアが必要なのです。当社のソリューションでは、医師達が妊婦に来院を求めずとも、適切な頻度で胎児と健康状態のモニタリングを行うことができます。また、現在、当社では自社製品のライトバージョンを公的医療機関に無料で提供しています。」と述べている。

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ステイホーム、だけどグローバルに

一部のスタートアップでは、コロナウイルスの影響で、海外渡航が厳しくなる情勢下にあっても、海外での事業展開を考える必要性が出てきている。

ちょうどコロナウイルスが大流行する直前に、「Attonics Systems」社のCEOであるPhilipp von Pein氏は、スペクトル分析のスタートアップでドイツに進出し、欧州本部を同地に設立しようと準備していた。既存顧客からの受注が減少している現在、欧州の投資家や顧客とのコネクトを図るためにオンラインでの事業展開を進めている。

「3月にはScaler8による市場拡大プログラムに参加し、業界のインサイトやドイツ企業に向けたバーチャルミーティングで製品のセールスを行ったりする上で非常に役立つ内容でした。」とvon Pein氏は述べている。

国内のマーケットが小さいことで、シンガポール政府はスタートアップがポテンシャルの高い海外市場に参入し、グローバルなイノベーションを進めるための支援スキームを強化している。シンガポールの企業は、「Startup SG Equity」や「Market Readiness Assistance Grant」といった支援スキームや助成金制度を活用できる他、「Scaler8」のような「Global Innovation Alliance」内の市場拡大プログラムに参加することができる。

不透明な時代であるからこそ、グローバルな視点で考え、新しい機会を獲得するう勇気と先見の目があれば、このパンデミックと不況からの回復時における立ち回りや成長を見据えた、より適切な体制づくりができるだろう。

A whole new world ~全く新しいセカイ~

いわゆるアフターコロナの世界が全くの別物になるであるということは、現時点で否定することのできない事実の一つだ。10年前、2008年から2009年にかけての金融危機(リーマン・ショック)は、結果的に多くのユニコーン企業の登場を促す良い土壌づくりの役割を果たした。同じように、このCOVID-19のパンデミックも、スタートアップにとって破壊的な技術のメリットを実証したりするための少し変わったユニークな機会と捉えることはできないだろうか。

スタートアップのファウンダー達は、その存続を考えるだけでなく、現在や今後のグローバルな産業構造の変化について深く考え、そこで主導的な役割を果たすべきであると言えるだろう。

翻訳元: Beyond COVID-19: A new era for deep tech startups

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