アリババがメキシコで計画中のデジタルビレッジ構想とは

世界の最先端テック企業が新たなEコマース市場として注目している中南米地域。アリババがメキシコで計画中のデジタルビレッジ構想とはどのようなものなのだろうか。
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Contxto - 世界の最先端企業テック企業が、中南米のEコマース市場への進出に向けて動き始めている。eBayは、中小企業(SMEs)のデジタル化を推進するためのプログラムをメキシコで開始した。 また、Facebookが「Shops」サービスとオンライン決済サービスをリリースし、アルゼンチンのMercado Libretech hubsを開設した。

そして、Eコマースの巨大企業であるAmazonと並び称されるグローバル企業であるアリババも中南米エリアへの進出を開始している。

アリババ・ビジネス・スクールは、メキシコ国内でのEコマース関連の能力開発を促進するために、GINグループとの提携を発表した

GINグループは、アリババのグローバルEコマース人材(GET)プログラムを通じて200人にトレーニングを実施し、GET人材として認定する機能を持つことになる。

また、アリババは、メキシコの32州すべてにデジタルビレッジを作り、1,000人の大学生を訓練し、各ビレッジで50のマイクロビジネスを立ち上げることで、スタートアップエコシステムを形成する計画を発表している。

かなり野心的な目標だが、テック企業によるメキシコ国内でのEコマース推進に向けた取り組みとしては最も有望な試みであるとみられている。

アリババによるメキシコでのデジタルビレッジ構想

注目すべきは、アリババにとってデジタルビレッジの立ち上げは初の試みではないということである。本国、中国では、このプロジェクトがすでに10年間実施されていると報じられている。

しかし、このプログラムは良い所ばかりではない。トレーニングやネットワーキングの機会を提供し、オンラインビジネスを運営するために起業家を認定するだけでなく、アリババ自身のプラットフォームにサービス・画像情報を取り込むための手段とも位置付けられている。

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ただ、メキシコでは、首都権と地方のデジタル格差が特に激しく、この状況を緩和する手段としての期待感は大きい。

アリババが、これらの地方都市にEコマースを流行させることができれば、Eコマースだけでなくテック系スタートアップのエコシステムを発展させることに繋がるはずである。

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翻訳元:Alibaba launches ambitious e-commerce initiative in Mexico

記事パートナー
ラテンアメリカのスタートアップシーンの情報をカバーする、メディア・データカンパニー
執筆者
松尾知明 / Tomoaki Matsuo
中小企業診断士 / Web Writer
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