SUNRYSEが注目するCES 2024受賞企業を複数紹介する。
CES®公式は「イノベーションの世界的舞台」と表現する。CES®公式によると、画期的なテクノロジーと世界的なイノベーターが集う、世界で最もパワフルなハイテクイベントと表現している。
ブランドがビジネスを成功させ、新しいパートナーと出会い、業界で最も鋭い頭脳を持つ人々がステージに上がり、最新作や大胆なブレークスルーを発表する場であり、コンシューマー・テクノロジー協会(CTA)®が所有し、プロデュースする。
1つのイベントでテクノロジー全体を紹介する唯一の見本市だ。(参考)
CESには世界的に知名度の高い企業に限らず、中小企業やスタートアップ企業も参加し、新技術を搭載した新製品や根深い課題の解決を目指す新製品などを紹介する。
TechCrunchはCES 2024について「自動運転、EV充電、ソフトウェア(特にAI)、センサー、航空、ボート、ドローン、マイクロモビリティ」を挙げたほか、「セックステクノロジーがほぼ存在しなかった」とも言及している。TechCrunchのCES関連記事はここにまとめられている。
WSJのポッドキャストである「Tech News Briefing」でも、CES 2024について「誰もがAIについて話しており、以前よりもパーソナル・テックが減り、ガジェット・ショーというよりも自動車ショーに変わってきている」としてモビリティ関連の出展増に言及していた。
SUNRYSEは海外スタートアップ企業のビジネスモデル・レポートを提供するデータベースだ。定性的なレポートを中心とし、アメリカ・シリコンバレーに本社を置くIT企業 Owler とのAPI連携も実施しているため定量的な情報も取得できる。
本記事では、2024 CES Innovation Awardに選出されている、2013年以降に創業された企業やその製品の中から気になった企業や製品を紹介する。(企業名の昇順)
2024 CES Innovation Award公式の選出企業・製品紹介ページには企業の本社所在国や創業年は掲載されておらず、SUNRYSEが独自に調査した。
(公式より引用)
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神経刺激によりタッチ感覚を生み出す新たなウェアラブルデバイスを通してデジタル世界と物理世界の間におけるシームレスな触覚体験を実現するソリューションを提供している。
触覚フィードバックを提供する可動性の高いユニバーサル触覚グローブ「Phantom」はBluetooth接続によりVRデバイスやゲームコントローラー、またスマートフォンやパソコンなど様々なデバイスと同期しながらの利用を可能としており、幅広い利用の実現に繋げようとしている。
(公式より引用)
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視覚障がい者は、介助者・盲導犬の援助や白杖の使用以外に安心して出歩くための手段が存在しない。
「AI Guided」が開発した腰に巻き付けて使用するセンサー付きウェアラブルデバイスの「GUIDI」にはLiDAR/RADARセンサーが採用されており、周囲をスキャンしながら各障害物を検知する。独自のアルゴリズムにより障害物の識別を行なっており、人間や木、ゴミ箱やバス停、信号といった街中の物体を50以上のカテゴリに分けることで詳細な環境把握を可能にする。装着者は進むべき道を見つけ、振動を通して移動を支援される。
(公式より引用)
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対象空間内における迷惑行為等を検知する、コンセントに差し込んで使用可能な小型のデバイスは、騒音や喫煙、占有率や空気質、気温や湿度といったデータを収集・蓄積する。デバイスのサイズはおよそ12cm×7cmであり、薄さ3cmのデバイスは室内インテリアの調和を乱しづらい。設置者は各種行為に対する許容値を設定し、デバイスは検知した値が設定した値を超えた場合にSMSやメール、ウェブフックなど規定の方法にて通知を送信する。
(公式より引用)
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毎日使いたくなる楽しくて機能的なテクノロジーの家電やデバイスとして、ワイヤレス充電器、モバイルバッテリー、シャワーパワー、スマートサングラス、テックバッグ、ガジェットアクセサリー類を開発している。
スマートサングラスである「Dusk smart sunglasses」の「Dusk Rx」は、オーディオ内蔵アプリ対応、かつ、同社によると世界初のアプリ対応で色合い変更が可能なスマートサングラスだ。同製品が「2024 CES Innovation Award」に選出された。着用者はレンズの色合いを完全に制御できる。色合いはフレームとアプリの両方で手動で調整可能だ。
紫外線量に反応して暗くなる(=サングラスになる)レンズはすでに普及しているため、着用者の希望する色合いに変更できる自由度の高さは新しいのかもしれない。
(公式より引用)
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センサー、IoT、独自アルゴリズムを組み合わせて個々の睡眠パターンを収集し、一人一人の姿勢の違いに合わせて硬さをリアルタイムで自動制御するマットレスを開発した。アプリの提供も行なっており、一連のデータをもとにモニタリングしたレポートや、それをもとに提案する睡眠ケアソリューションを提供する。
(公式より引用)
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特許取得技術である「WE-STIM(TM)」技術はウェアラブル電気刺激技術であり、これを応用したレギンスを着用すると、同社によると、太ももと腹部の筋肉の疲労度を下げ回復を促進するという。
(公式より引用)
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一見すると犬を飼っている家に置いてあるよくある犬用のベッドであるが、中にモニタリング機器が入っており、犬をモニタリングする。心拍、呼吸、睡眠、温度や湿度などの環境情報のデータを収集し、夜間のかゆみ発作も検出でき、リアルタイムのモニタリングで収集した情報は24時間年中無休の獣医ヘルプライン・サービスと共有も可能であるとしている。
ただし、特に子犬〜体の自由が効く年齢の犬は必ずしも飼い主が用意したベッドで過ごすわけではない場合もあり、冬は日の当たる場所、夏は冷たいフローリング、寝る際は飼い主のベッドなど、好き勝手に動き回り、彼らの意思で気に入った場所を選んで自由に過ごす。そのため、介護状態にありベッドで過ごす時間が多い犬の健康管理や床ずれ防止の時間計測などに有用であるかもしれない。
(公式より引用)
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コロラド大学とオックスフォード大学の科学者による9年間の集中的な研究開発を通じ、18件の申請済みもしくは申請中の特許に基づき開発されたウェアラブル睡眠家電である。すべての成人の頭のサイズと睡眠姿勢に対応するように設計されており、入眠を少なくとも24分加速することが臨床的に証明されている。
(公式より引用)
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インタラクティブAIアバターアプリの「Twinit」と、オールインワンのバーチャルコミュニケーションプラットフォームの「Another Town」の2種類のサービスにより、コミュニケーションの新たな形を作る。
B2Bのバーチャルコミュニケーションサービスとしても機能しており、さまざまな製品の自由なアップロードやVRゴーグルを活用した会話等を実現することで、100人以上の集団であってもレクリエーションや展示会、会議などの機会に対応可能な体制を構築した。
(公式より引用)
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FDA登録済みの自己学習型義手「Esper Hand」、ウェアラブルなブレインコンピューターインターフェースとなる「Esper Control」、そして一連の制御を最適化するクラウドベースのソフトウェアソリューションである「Esper Platform」を開発した。
特に「Esper Hand」は機械学習アルゴリズムによるユーザーの行動の学習・予測を通して各ユーザーの習慣やライフスタイルに合わせた機能の自動的カスタマイズを特徴とする義手だ。24個のセンサーが前腕の20個の筋肉の動きを検出して処理し、より良い制御を通した自然な動きの実現に繋げる。
(公式より引用)
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筋骨格系疾患の予防・管理・治療を促進する医師向けDTxプラットフォームは、患者の疾患の進行状況をトラッキングした上で、リハビリテーションや理学療法、認知行動療法の専門家によって開発された3,000を超えるコンテンツライブラリから個別に適したコンテンツを提供する独自のダッシュボードを提供する。一連のリハビリテーション類の実行状況は姿勢推定の結果などとともに患者別に管理され、医師による進捗のトラッキングにも活用されていく。
(公式より引用)
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顔認識技術及び画像処理技術を活用した、柔軟性の高い非接触のバイタルサインモニタリングソリューションはWiFi等への接続を必要とせず、心拍数や脈拍、SpO2(酸素飽和度)など6つの主要なバイタルサインについてデータを収集し、それらを健康レポートとして一つのレポートにまとめる。
要介護者へ対応するロボットへの活用や、歯磨きしながら鏡を見るだけで健康状態を記録・管理できるスマートホームへの活用、スポーツ中に身体を管理できるウェアラブルデバイスへの活用、そして企業における従業員の健康管理への活用など幅広い用途を挙げながら導入を進めようとしている。
(公式より引用)
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監視カメラからの取得映像を独自のアルゴリズムで処理し、セキュリティ強化に繋げるエンドツーエンドのインテリジェントビデオアズアサービス(IVaaS)だ。同社のカメラまたはサードパーティ製のカメラに「FocusAI Bridge」を組み合わせて使用する。銀行やスーパーマーケット、そして教育機関などさまざまな導入先を想定した上で2023年に同社初となる自社製品の出荷を実現している。
(公式より引用)
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水を利用して空気をきれいにする空気清浄機「Swasher」は、ボディーの真ん中には無色透明の露出した水タンクが存在し、水が渦を巻く様子が確認できるデザイン性の高い商品だ。この水の渦こそが空気を清浄にする鍵となる。
(公式より引用)
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気候や環境に左右されることのない、無農薬作物の安定的生産を可能にする室内栽培システムを開発した。スマートフォンアプリからの操作ひとつで簡単に制御可能であり独自デバイスの携帯は不要だ。
小さな鉢植えサイズの栽培ユニットを最小単位としながら、家庭やお店に家具やショーケース同様設置可能な冷蔵庫サイズのものから、一般的なコンテナに収まるサイズ、そして、より大きな工場向けサイズなどさまざまなニーズに対応したソリューションを展開している。
(公式より引用)
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身体に装着して利用するウェアラブルデバイスを複数展開し、医療におけるリハビリ用、日常生活支援用、ランニング等におけるパフォーマンス向上用、ゴルフにおけるスイング改善用の4種類を開発した。
(公式より引用)
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畜産業は熟練労働者の持つ知識や経験に依存した運用が行われてきた点を指摘し、デジタル技術の積極的活用により誰もが簡単に運用可能な状態を実現するソリューションを提供している。豚を飼育する事業者に対し、家畜の計量と記録、モニタリング、給餌指示ソリューションを開発した。
(公式より引用)
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車椅子利用者向けの健康器具「Wheely-X」は一定の場所にとどまりながらも、車椅子を前に進め続けている感覚を得ることができるものであり、スロープとキャンバーの角度や本体の長さ、幅、高さといった仕様は多くの手動車椅子に適合した設計だ。車椅子のモデルを問わず利用できる。
(公式より引用)
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現代の社会において普遍的に入手可能であり、またそれらの活用が有益となるようなものとして騒音に注目し、騒音を用いた発電ソリューションとして音の持つエネルギーを電気に変換するデバイスの開発に取り組んでいる。
(公式より引用)
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重くて高価な鉄骨フレームを使用しない、空気により膨らませる膨張式のエアロポニックシステム「AirFarm」を開発した。運搬の利便性が高いだけでなく、水の消費量を抑制した膨張式の水耕栽培設備キットであるため、砂漠の真ん中など食糧の生産や供給の仕組みを運用するのが難しいような場面での利用も設置が簡単であるとしている。
(公式より引用)
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タッチパネル式のスマートミラー「Mirart」は、美容院での利用を想定している。カットやカラーの仕上がりイメージ確認や、ARシミュレーション機能を利用すれば、その場の利用者の顔をベースとして、髪の量や長さ、前髪の有無や髪の色などを変更しながらイメージを膨らませることができる。利用者が退屈しないようにYouTubeなどの映像の大画面表示や、店舗からのお知らせやキャンペーン情報などの表示も可能だ。
ヘアサロン同様に鏡の設置されている空間に注目し、衣料品店や眼鏡屋、コスメショップなどの利用も想定している。
(公式より引用)
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肌を引き締めシワを目立たなくしより滑らかで生き生きとした肌を提供することが臨床的に証明されている、最大かつ最速の、痛みのない、FDAの認可を受けた家庭用レーザーにより、痛みやダウンタイムを伴うことなく老化の兆候を軽減する。
(公式より引用)
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視覚障がいを抱える人が環境内の物体やテキストをスムーズに識別・検索・位置特定できるよう支援するiOS対応のスマートフォンアプリを開発した。4つの機能は(詳細はSUNRYSEデータベースにて解説)、軽度の視覚障がい者から目が全く見えない人まで、簡単かつ円滑に使用可能な工夫がなされている。
(公式より引用)
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入力されたURLに対して、接続先サイトに表示された製品・サービスのマーケティング動画を自動で生成するビデオメーカー「VCAT.AI」は、URL先のテキストや画像をもとに数十の短いマーケティングビデオをサムネイルとともに自動生成し、YoutubeやInstagramなど媒体ごとにカスタマイズした複数のサイズにて出力する。製品URLから宣伝動画を自動作成する速度は1分程度だ。
(公式より引用)
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モビリティにおける活用と高齢者向け施設における活用の2種類の活用を想定し、特許取得済みのミリ波レーダー技術とフィルタリング技術をもとに高さ4cm程度のレーダーを開発した。同社が2024年のCESで展示するソリューションは日本の旭化成エレクトロニクスとの協業により実現したものだ。
(公式より引用)
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開発された水流により口内の食べかすを洗い流す完全自動の口腔洗浄システムは、個々人の口の形状に合わせてカスタマイズしたマウスピースを利用する。
デジタルスキャンと高度な3Dプリント技術により作られたマウスピースは利用者の口にフィットするため、歯ブラシやフロスなど精度が個人の技量に依存しない。
(公式より引用)
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マスクのように耳に紐をかけて使用する、睡眠状態の監視・分析を可能にするウェアラブルデバイス「RUAH Device」は重さ約35gと軽量だが、睡眠中の寝返りや咳などの動きを検知し、呼吸の勢いや回数の記録を取る。
(公式より引用)
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toDソリューションとして眼科白内障手術装置である「imass」を開発した。白内障手術の中で最も難しい前嚢切開術を行うディスポーザブル手術器具であり、手術時間は15秒で完了する。
(公式より引用)
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3Dフードプリンティングや4Dフードプリンティング関連機器を製造販売している。同社製品はCES 2024のみならずCES 2023でも注目された。
児童や青少年が学校内外で3Dフードプリンターについて学び直接参加できる授業や、外食業分野の従事者・調理学科などの専門人材を対象としたカリキュラムの教育課程も提供している。フードプリント分野という先進的で各種課題解決につながる技術を、これからの社会を担う世代の学習や、食分野の有識者への研修として接点を設けている点は、社会貢献性の高さもうかがえる。
(公式より引用)
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耐用年数が終了したソーラーパネルを、機械技術を使用して、化学薬品や熱を使わずに分解する装置「PV Circulator」を開発した。
WEEE(WEEE指令、電気電子廃棄物指令。欧州連合)は使用済みPV材料の80%をリサイクルするよう要求しており、ほとんどの技術はこれを容易に達成できる。しかし同社はリサイクルされない残りの20%の材料が最も大きな汚染の原因となっている点を問題視し、製品の開発に至った。
本記事は、SUNRYSE MAGがスタートアップ・エコシステムを中心に焦点を当てていることから一つの基準として2013年以降に創業された企業やその製品を紹介した。中には成員が開発段階であり販売に至っていないものも見受けられた。
先進的で革新的な製品がうまれる企業であるかは、創業年で判断できない。
ここで紹介している企業に限らず、ぜひ広く2024 CES Innovation Award受賞企業・製品や、各国のスタートアップ企業などに注目していただきたい。海外のイベントで注目されているソリューションと、読者それぞれがお持ちの知見を掛け合わせると、きっとなにかヒントを得られたり、イノベーションがうまれるきっかけになったりすると信じている。
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表題画像:Photo by Jonny Gios on Unsplash (改変して使用)
執筆:古川絵理
表題画像作成:古川絵理
SUNRYSE公開日:2024年1月22日