コロナでも負けない:2020年に注目すべきアジアのフードテック4選

フードテックがアジアで盛り上がりを見せている。ユニークなサービスを展開し、コロナ禍においても新たな需要を切り開く注目すべき4つのスタートアップを紹介する。
飲食 食品

近年アグリテックやフードテックのスタートアップが注目を集めている。2019年に開催された「Future Food Asia」では、アジアの食に関する企業やスタートアップが一同に集った。ファイナリストには10万ドルの賞金が与えられ、食品サプライチェーンの課題を解決するような技術などが高い評価をうけた。

フードテックテックのスタートアップは、絶えず革新を続けている。流通の自動化や食品技術の開発、健康的な食事として捉えられている新たなスーパーフードの開発まで、様々な新しい技術や開発が市場で誕生している。

そこで今回は、フードテックの世界でも特に注目すべきアジアのスタートアップを4社紹介する。

1.シンガポールの「Grain」

シンガポールには「Deliveroo」や「Grabfood」、「Foodpanda」といったデリバリーフードサービスが数多くある。そのなかで「Grain」は、レストランと提携せずに独自に料理を提供し、競合他社との差別化を図っている。

同社はシンガポール現地の人気メニューからトリュフパスタまで、ユニークなアレンジを加えたメニューの展開に注力している。メニューは毎週変更しているため、ユーザーも飽きることが少ない。メニューはSG10.95~19.9(850円〜1545円)と手頃である。現在は新プランのトライアルを実施している。

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2.マレーシアとバンコクの「Dahmakan」

マレーシアとバンコクの「Dahmakan」もまた、オンデマンドのフードデリバリーサービスとして注目を集めている。同社は調理や配達、決済といった業務の全てを手がけている。シェフが調理した健康的で新鮮な食事を迅速に配達している。

同社の調理スタイルはとてもシンプルである。地元の新鮮な食材をサプライヤーから調達し、ユーザーがウェブサイトやアプリから好みの料理を注文すると、シェフが調理を行い、ユーザーの指定場所にすぐに届ける。

豚ひき肉丼やチキンライス、スパイシーチキンのケサディージャなど、質のこだわったメニューを展開している。パッションフルーツのチーズケーキやアップルクランブルヨーグルトなどデザートメニューもあり、配達日は事前に指定できる。

3.オースラリアの「Gathar」

友人や家族を家に招待したいと思った時、大人数の料理を準備するのが面倒だと感じたことはないだろうか?その問題を解決するのが「Gathar」である。同社は個人とシェフをマッチングさせており、設立以来オーストラリアでは10拠点までサービスを拡大している。

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新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、飲食業を含めて多くの企業が危機に瀕している。しかし「Gathar」は、革新的なサービスを提供し続けている。現在は新サービスとして、記念日を祝いたい2人だけのパーティーや、少人数の結婚式向けのケータリングを開始した。ほかにもシェフがコース料理を作り、様々なゲストの家に届けるという「バーチャルディナーパーティー」も開催している。

4.韓国の「Phyto」

Phytoは革新的なフードテックのスタートアップである。植物由来の塩の製造に着手し、従来の製品よりもナトリウム摂取量を約20%削減することに成功した。高血圧な人や体脂肪を減らしたい人におすすめの商品である。同社は「Salicornia」として知られる水生の植物から塩を抽出している。

サービス開始直後は韓国でのみ商品を販売していたが、今後は日本や中国、ヨーロッパや米国などの進出も予定している。最近ではスーパーフードの新成分として注目を集めている「PhytoMeal」の開発も進めている。

翻訳元:https://e27.co/5-food-tech-startups-in-asia-to-watch-in-2020-20200826/

記事パートナー
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執筆者
土橋美沙 / Misa Dobashi
Contents Writer
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