【コロナ禍の出張事情】2021年、ビジネストラベル業界の展望は?

COVID-19が世界的に流行したことで、企業は閉鎖され、失業率と再雇用率が高騰した。このような逆境を乗り越えていく中で、事業費・ビジネストラベルマネジメント業界には何が待ち受けているのだろうか。
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2020年は誰にとっても挑戦的な年だった。COVID-19の感染者は世界で8560万人に達し(2021年1月5日現在)、企業は閉鎖され、失業率と再雇用率が高騰した。

ウイルスに対するワクチン接種への希望が見え始めている中、COVID-19の規制が緩和されたことにより、ほとんどの産業が第4四半期に若干の改善が見られたことから、シンガポールの地元企業は不況期からの回復に期待を寄せている。

  

  

2020年の事業費・出張管理

削減が避けられない出張費とは別に、ビジネス経費と出張管理のスタートアップ企業であるNavistepsは、昨年、新たな在宅勤務費のカテゴリーを立ち上げた。これは企業が予算の一部をノートパソコンやウェブカメラの購入など、従業員の在宅勤務の状況を補うために充て、従業員の仕事の生産性を向上させるというものだ。

また、シンガポール政府は、在宅勤務の労働者が、雇用主から償還されない電気代や通信費などの費用について、給与所得からの控除を請求できるようにすることで、国民を支援してきた。

他にも、従業員の士気や精神的な幸福を高めるために、福利厚生パッケージの送付やバーチャル教室への派遣など、従業員の福利厚生のための事業費を増加させている企業もある。

いずれにしても、2020年のパンデミックの初期段階では、事業費は50%以上減少したと推定されているが、企業が「ニューノーマル」に適応し、少人数のグループ形式でのビジネス接待が復活するにつれ、支出量の増加が顕著になってきている。

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2021年、事業費・トラベルマネジメントはどうなるのか?

このような逆境を乗り越えていく中で、事業費・ビジネストラベルマネジメント業界には何が待ち受けているのだろうか。

  

事業費を管理するデジタルビジネスソリューションの採用が増加

COVID-19の大流行により、テレビ会議やその他のビジネスソフトウェアの需要が急増している。世界中の企業は、流行の深刻度や対策に応じて、世界各地で程度の差はあれ、リモートワークやバーチャルワークによって適応している。リモートワークでは、5人に1人が新しいテクノロジーを採用しており、企業はバーチャルで生産性と効率性を維持しようと努力している。

物理的な交流がない今、企業は遠隔地にいる従業員の経費を管理できることがさらに重要となっている。デジタル経費管理ソフトウェアソリューションを利用することで、低コストで自動化・効率化が可能となり、中小企業やスタートアップ企業でも経費管理をデジタル化することが可能となっている。

  

  

WFH費用の増加

前述したように、WFH(Work From Home)はパンデミックの結果として現れた新しい経費カテゴリーである。企業が長期的なリモートワークを採用し、従業員が恒久的に自宅で仕事ができるようにすることで、WFHに予算を割くことが期待されている。その予算の中にはノートpcやウェブカメラなどの作業ツール、健康サービスなどの項目が含まれる。

また、Navistepsのようなデジタル事業費ソリューションは、従業員が好きな支払い方法で事業費を請求できる柔軟性を提供している。このような事業費ソリューションは、企業が遠隔地にいる従業員の事業費請求を管理する上で欠かせないものとなっている。これにより、効率的で自動化されたワークフローとプロセスが構築され、企業の時間、費用、労力を節約することが可能となる。

  

  

世界全体の出張量の減少

Navistepsは、長期的にはグローバルな出張量が15~25%減少すると予想している。とはいえ、人間関係は時間をかけて直接会って構築されるのが一番であり、COVID-19以前の時代よりも頻度は低いものの、顧客、サプライヤー、ベンダーと現場で物理的に会うことに勝るものはない。

世界の出張量は近いうちに増加すると予想されているが、2021年内に通常の状態に戻る可能性はやはり低いと思われる。

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トラベルバブルによる国内出張の増加

政府の規制が残り、消費者心理が今後1年を通して低水準で推移することを考えると、2021年のビジネス旅行では、州間・州内出張が最も実行可能な選択肢となるだろう。また、マレーシア政府は、自国経済の旅行産業を改善するために、州間旅行の国内トラベルバブルを承認している。成功すれば、より多くの国が国内トラベルバブルを採用し、自国の旅行経済を引き上げることが予想される。

  

  

物理的な会議やイベントのための出張が増加

グローバル・ビジネス・トラベル・アソシエーション(GBTA)が述べているように、多くの従業員は、次の年には対面でのイベント、会議、会議を再訪し、開催することを期待している。また、今後の出張の安全性と説明責任を確保するために、管理された出張プログラムを持つことへの関心も高まっている。

出張は少しずつ戻ってきているが、どのくらいのスピードで正常に戻るかは、効果的なワクチンの入手可能性や各国でのウイルスの蔓延状況に大きく左右されるだろう。

  

  

これからのビジネストラベルとは

出張費と経費(T&E)の支出は、管理可能な変動費の中では、賃金やマーケティング費用に次ぐ順位となっている。ビジネス経費や旅行管理会社は、データ分析に力を入れて、お客様がT&E支出を効果的に見て、内部統制や規制を完全に遵守しながら継続的に最適化できるようにする必要がある。これには、類似セクターのデータを集約して顧客の比較に利用するT&Eベンチマークも含まれまれる。

ビジネストラベルも、環境、社会、ガバナンス(ESG)の実践を重視し、持続可能で安全な旅行にますます焦点を当てていくことになるだろう。出張者のカーボンフットプリントに関するスコアリングシステムを構築するなど、サステナビリティを重視したソリューションは、ビジネストラベルにおけるサステナビリティの推進に向けた第一歩となる。

  

  

翻訳記事:https://e27.co/2021-business-expense-and-travel-predictions-20210111/

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